本記事では、ファイナンシャルプランナーオフィスのLive to Relief(ライヴトゥリリーフ)株式会社代表取締役・笹村敏夫氏が、営業マンの多くが陥っている勘違いについて解説します。
「スーツさえ着ておけば大丈夫!」という営業マンの勘違い

<この連載の第1回記事はコチラから>

お客さまの「呼び出し」にすぐに答えてはいけない?

・行き当たりばったりでは、営業効率が上がらない

 

休日だろうが、夜だろうが、お客さまから呼び出しがあれば、駆けつける─。一見すると、お客さまをなにより大切にする「営業マンの鑑」のように思えるかもしれません。

 

実はこれも、うまくいかない営業マンの特徴です。仮にあらゆる契約をたった一人のお客さまからもらっているのであれば、あるいはこのような姿勢でもいいかもしれません。

 

しかし実際には、一流と呼ばれる営業マンほど何百人というお客さまを抱えているわけで、その誰かから急な呼び出しが入っても、「分かりました」と都合よく行けることはほとんどありません。

 

新人であったり、転職して間もなかったりすれば、最初はお客さまの数は当然少ないもの。今、自分についてくれているお客さまをなんとしてでも離したくない気持ちは分かりますが、呼ばれればすぐ駆けつけるような関係性は、平等とはいえないものです。営業マンとお客さまは平等であるのですから、太鼓持ちのように尽くす必要はありません。

 

いつでも駆けつけることができるのはすなわち、スケジュールに余裕がある証拠です。一人のお客さまに固執するよりも、まずは自分のスケジュール帳を予定でしっかりと埋めるような方向に努力をする必要があります。

 

お客さまの立場で考えてみましょう。

 

自分からアポイントを取ろうと思ったときに、「いつでも大丈夫です」という営業マンと、「今週はたくさんのアポイントをいただいておりまして、〇月〇日〇時か、〇月〇日〇時ではどちらがよろしいでしょうか」と指定をする営業マン、どちらがいいでしょう。

 

都合がいいのは当然、前者ですが、他からも引く手あまたで忙しい様子がうかがえる後者のほうが、営業マンとしての力を信頼できるのではないでしょうか。

 

年収1000万を超えるような営業マンのスケジュール帳は、数カ月先まで詰まっています。そこまでとはいわずとも、せめて1週間先の予定は、前週にあらかじめ決めておくべきです。

 

私の経験からいっても、「その週の頭に、1週間の予定を決める」というような習慣のある営業マンは、たいてい成績が振るいません。

 

お客さまの数が少ないからこそ、やるべきことは多くあり、スケジュールはいくらでも埋まるはずです。お客さまとのアポイントを優先的に入れるのは当然ですが、その他にこなすべきタスクや、営業技術向上に充てる時間、休憩や休日もしっかりとスケジュールに組み込んで動いている営業マンは、時間を効率的に使い、実力が伸びるのも早いです。

 

「行き当たりばったり」で行動するのではなく、今より2週間後、3週間後までを予定でしっかりと埋める。これを習慣化していくことです。

 

そうやって有意義な時間を積み重ね、実力を磨いていけば、「急遽お客さまに呼ばれて駆けつけなければならない」必要がなくなります。最終的には、たとえ契約締結日の提案であっても「申し訳ありません。その日は家族と食事があるので、別の日でお願いできますか」と言えるくらいの、実力をつけることを目指しましょう。

 

<この連載の第1回記事はコチラから>