(※写真はイメージです/PIXTA)

音楽教室を主宰する筆者は、音楽に親しむことで「論理的思考力」も鍛えられると主張します。実際、多くの東大合格者を出している開成中学校では生徒全員がピアノを弾いており、高校になると作曲の授業も選択できるそうです。音楽が育む素晴らしい力について、見ていきましょう。

発表会で「自己表現力」が養われる

音楽教育を受けている子どもたちは、自分の感性によって音楽を受容し、論理的思考力によって曲を解釈したうえで、練習を積んで自己表現力を養っていきます。その自己表現力は、受け取る相手があってこそ磨かれるものであり、音楽教育においては、「発表会」が絶好の機会となります。

 

発表会では、普段の練習とはまったく異なる環境に戸惑い、失敗してしまう子もいます。きちんと暗譜していたはずなのに本番の緊張で突然頭が真っ白になってしまったり、最初の音を1オクターブ間違えて弾き始めてしまったり、あまりの緊張に足がすくんで舞台に出ていけなくなってしまったり……。

 

このような失敗も、子どもたちにとっては貴重な経験となります。あらゆるリスクに備えて、できる限りの準備を真剣に行うということの大切さを身をもって学びます。音楽教室に通う子どもたちは、このような実体験を積み重ねることで、プレッシャーのかかる場面でも、自己表現ができるという自信をつけていきます。

 

そうした経験が活かされるのは、発表会の場に限りません。受験や就職試験などの緊張感が漂う場面で、緊迫した空気にのまれることなく、実力を発揮できるようになります。

 

このように、音楽教育によってもたらされる効果は子どもたちの「生きる力」となるのです。

 

小林 洋子

小林音楽教室 主宰

 

沼田 峰紀

株式会社レゼル 代表取締役

 

 

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※本記事は、小林洋子氏と沼田峰紀氏の共著『これからの時代を生きるすべての子どもたちへ 音楽教育のススメ』(幻冬舎MC)より抜粋・再編集したものです。

これからの時代を生きるすべての子どもたちへ 音楽教育のススメ

これからの時代を生きるすべての子どもたちへ 音楽教育のススメ

小林洋子、沼田 峰紀

幻冬舎メディアコンサルティング

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