(※写真はイメージです/PIXTA)

子どもがピアノ、ヴァイオリン、ギターなどの音楽のレッスンを受けるにあたって、始めるタイミングや場所、受験との両立で悩みも多いといいます。本記事では、音楽教室を主宰する筆者が、親からよく受ける質問に答えていきます。

「音楽教育」を始めるタイミングに、遅すぎはない

Q.小学校6年生の子どもがピアノを習いたいと言い出しました。周りは早い子だと年中さんから始めている子もいるようなのですが、習い始めるタイミングとして遅過ぎないでしょうか。音楽教育はできるだけ早く始めるべきだと聞くのですが。

 

A.音楽教育を始めるタイミングに、遅過ぎることはありません。実際に、50歳を過ぎてからピアノを始めて、難曲と呼ばれるリストの『ラ・カンパネラ』を弾きこなせるほどに上達する方もいます。

 

絶対音感を身につけるためには3歳までが勝負であるとか、著名な音楽家が○歳から楽器を触っていたといった話のイメージから、「音楽教育は早い段階から始めなければならないのでは……」という思い込みをお持ちの方もいらっしゃいますが、決してそんなことはありません。

 

お子さんがピアノを習いたいという気持ちになっているようでしたら、今こそ最適なタイミングだといえます。

マンション住まいで「本物の楽器」に触れられない場合

Q.マンションに住んでいるため、電子ピアノで練習せざるを得ません。アコースティックの楽器に触れさせたいとは思うのですが…。

 

A.都市部では、住宅事情により自宅に電子ピアノしか置けないというご家庭は少なくありません。そういう場合は、音楽教室を探すとき、レッスンにグランドピアノを使っているかどうかを確認するとよいでしょう。

 

ピアノは、アコースティックピアノと電子ピアノに大別できます。さらに、アコースティックピアノには、グランドピアノとアップライトピアノがあります。

 

日常的にグランドピアノに触れることができるのが理想ではありますが、音楽大学を目指すような環境でなければ、ご家庭にグランドピアノを置くことはなかなか難しいかと思います。お住まいの規約で、アップライトピアノどころか、電子ピアノでヘッドフォンをして練習せざるを得ないというケースもあります。

 

また最近は、レンタルスタジオなどでグランドピアノに触れられる場所も増えてきていますが、いつもスタジオを予約して練習することも難しいかもしれません。そのような環境の場合、レッスンのときに週に1回でも、本物の楽器に触れられるのは有意義な時間となります。

 

ここでいう「本物の楽器」とは、ピアノの場合「グランドピアノ」のことを指します。実際に弾いてみれば実感していただけると思いますが、グランドピアノとアップライトピアノでは、音の響き方や打鍵の感覚、表現力が全然違います。というのも、両者は構造が大きく異なるからです。

 

本物の楽器に触れることは、音楽を学ぶうえでの耳を育てます。それは、演奏技術や音楽性を育むベースとなります。たとえ、ご家庭では電子ピアノを使用せざるを得なくても、レッスンのときにグランドピアノに触れることができれば、家で練習する際にグランドピアノを弾いたときの感覚をイメージしながら練習をすることもできます。

 

どんな分野にもいえることですが、本物に触れられるという機会から得られる効果は大きなものです。

 

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※本記事は、小林洋子氏と沼田峰紀氏の共著『これからの時代を生きるすべての子どもたちへ 音楽教育のススメ』(幻冬舎MC)より抜粋・再編集したものです。

これからの時代を生きるすべての子どもたちへ 音楽教育のススメ

これからの時代を生きるすべての子どもたちへ 音楽教育のススメ

小林洋子、沼田 峰紀

幻冬舎メディアコンサルティング

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