(写真はイメージです/PIXTA)

天然の金山よりも数段効率よく「金」が発掘でき、都市鉱山と呼ばれている大量の携帯電話機の廃品。経済アナリストの増田悦佐氏の著書『資産形成も防衛も やはり金だ』(ワック株式会社)より日本の都市鉱山について一部を抜粋・編集して解説します。

<金に関する詳細はコチラ>

「都市鉱山の有効利用」で輝く日本人の習慣

でも、私は都市鉱山の有効利用にかけては、日本が圧倒的に有利で世界でトップグループを走ることは間違いないと確信しています。政府や自治体が「できるだけ資源を有効に再生利用できるように、ゴミはきちんと分別して出しましょう」と呼びかけた場合に、国民の大多数が協力するからです。

 

日本の知識人の中には、なんでもかんでも日本のことは悪く言わないと気が済まない性分の人たちもいらっしゃるようです。こんなことまで「日本人は近代的自我を確立していないから、お上のおっしゃるとおりに従順に動いているだけだ」とお叱りになったりします。

 

CGアニメの名作『トイストーリー3』には、生ゴミから金属ゴミまで一緒くたに巨大なゴミ箱に放りこんで、鉄だけは磁石で拾って再生利用するけど、あとはまとめて燃やしてしまう、アメリカとしては典型的な廃品回収の場面が出てきます。

 

日本国民が整然とゴミを分別する習慣を持っていることにさえケチをつける人たちは、どんなにいいこととわかっていてもめんどくさいことは絶対やらない人たちばかりのアメリカのようになることが、「近代的自我を確立した人たちで構成される立派な社会への進歩だ」と思っているのでしょうか。

 

たまたま私も、平沼さんと同じ講談社プラスα新書から『お江戸日本は世界最高のワンダーランド』という本を2013年に出しました。その中で、江戸時代の日本が、いかに環境にやさしくて、ほぼ完璧な資源再生利用を実現した社会だったかを描きました。

 

布きれ1枚から人間の排泄物まで再利用できる物は何度でも再生して使い、どうにも利用できなくなった物だけを燃やすと、その灰を農家が買い取って肥料にするという社会だったのです。

 

日本のリサイクル志向は欧米諸国のような付け焼き刃ではなく、筋金入りです。世界中で金属資源の再生利用が本格化した時代になっても、細かく再生利用可能な資源を分別して回収し、有効利用できるかたちに再生することにかけては、間違いなく日本が諸外国をリードするでしょう。

 

 

増田 悦佐

経済アナリスト

文明評論家

 

資産形成も防衛も やはり金だ

資産形成も防衛も やはり金だ

増田 悦佐

ワック株式会社

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