前回に引き続き、リフォームしても集客に結びつかない、いわゆる「無駄金リフォーム」の実例を見ていきます。※本連載は、佐久川靖行氏の新刊で、2015年8月に刊行された『「出口」から考える賃貸経営の収益改善計画』(カナリアコミュニケーションズ)の中から一部を抜粋し、賃貸経営としてのリフォームの考え方を紹介します。

大家の仕事はリフォームではなく「経営」

③無駄金リフォームその参 <ガテン系リフォーム>

 

よくあるパターンなのですが、いつも頼んでいる親しい職人さんがいる、職人さんに直接発注しているから安い、というような家主さんがいらっしゃいます。しかし、腕は良くても入居者ニーズがどこかに行ってしまっては意味がありません。

 

部屋を決めるために行うリフォームが、部屋が決まりにくくなるようになってしまっている部屋も存在します。

 

和室を洋室にという事で、単に床をフローリングにしただけの洋室?な・の・か?
和室を洋室にという事で、単に床をフローリングにしただけの「洋室のようなもの」・・・

 

このご時世に、カーペットの洋室へ変更???
このご時世に、カーペットの洋室へ変更?

 

キッチンパネルが、いきなり木目に!?
キッチンパネルが、いきなり木目に!?

 

もはや、誰が何の目的で選んだ柄なのか、それは、誰もわかりません…
もはや誰が何の目的で選んだ柄なのか、それは誰もわかりません・・・

 

④無駄金リフォームその肆 <ジコマンリフォーム>

 

家主さんの間で、DIY、自分でリフォームをしようという動きが増えているようです。もちろんそれは悪いことではないのですが、余程のセンスと技量がないと、とんでもないことになってしまいます。

 

家主さんが本来しなければいけないのは、リフォームではなく経営です。自分でリフォームすることがNGとは言いませんが、専門のことは専門家に任せて、家主業、賃貸経営の戦略を考えることが重要です。

 

キッチンをリメイク???かわいいと言えば、かわいいのですが…
キッチンをリメイク?かわいいと言えば、かわいいのですが・・・

 

こちらもよくわるパターンで、「変わったクロスを」てことで、木目調のクロスを自分で張って自らの手で自分の物件をアンバランスに…
こちらもよくあるパターンで、「変わったクロスを」てことで、木目調のクロスを自分で張って自らの手で物件をアンバランスに・・・

 

「なんも言えねぇ…」。もう、誰も何も言えません。家主さんのセンスが良ければすでに部屋は決まっているはずでは…
「なんも言えねぇ・・・」もう、誰も何も言えません。家主さんのセンスが良ければすでに部屋は決まっているはずでは・・・

「お金をかければ良い」というわけではない

⑤無駄金リフォームその伍 <やりすぎリフォーム>

 

最近流行りのリノベーションでよく見かけられるのですが、一回目のリノベーションをするときに、お洒落に豪華にと気合が入りすぎて、費用対効果がどこかに行ってしまっているリフォームがあります。

 

良いんです、めちゃくちゃ良いんですけど、費用対効果は?
良いんです。めちゃくちゃ良いんですけど、費用対効果は?

 

どこの誰をターゲットにしているのでしょうか??
どこの誰をターゲットにしているのでしょうか?

 

以上、現場でよく見る「無駄金リフォーム&無駄金リノベーション」の象徴的なものを紹介しました。自分の物件と比べて同じようなことになってしまっていたら、注意が必要です。

 

では、次回からはリフォームが無駄金にならないようにするために、どうすれば良いのかを一緒に考えていきたいと思います。

本連載は、2015年8月25日刊行の書籍『「出口」から考える賃貸経営の収益改善計画』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

「出口」から考える 賃貸経営の収益改善計画

「出口」から考える 賃貸経営の収益改善計画

佐久川 靖行

カナリアコミュニケーションズ

今、お悩みの家主さんへ… 空室に困っていませんか? リフォームするかどうか迷っていませんか? 下がり続ける家賃に困惑していませんか? 人口減少時代、これからますます厳しくなる賃貸経営。しかし、考え方を変えること…

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