(※写真はイメージです/PIXTA)

合同会社4U International代表・中田聡喜氏の書籍『個人М&Aのススメ』より、一部抜粋・編集し、会社員が課題にどう取り組んでいくべきなのか、自身の体験を基に解説します。

飲食店に新卒入社した著者。新人研修では…

私は大学時代そのままの気持ちで、社会人1年生になりました。大学時代に掲げた「常に目の前の人を大切にする」という軸を心の中に持ち、社会人としての一歩を踏み出したのです。

 

入社して最初に教育を受けたことは、店舗でのオペレーション(作業)スピードがいかに大切かということです。特に新入社員はオペレーションの研修を徹底的に行います。

 

具体的には、調理の際に食器を取る動作や、横への移動の仕方、細かいところでは指1本の使い方までチェックされます。フロントでも接客や料理を提供する動作を1秒単位で練習します。

食器洗いのスピードや姿勢の練習に何の意味があるのか

このような教育に、入社当初の私は正直疑問を抱いていました。

 

曲がりなりにも業界1、2を争う企業です。初めに売り上げ向上やシフト管理などを行うと思っていた私は、食器を早く取る動作で1秒を縮めるために何度も練習をしたり、お客様がいらっしゃらない時の姿勢や足の位置まで練習することに何の意味があるのだろうと思っていました。

 

しかし、私の疑問とは裏腹に、入社後の昇進試験ではこのオペレーション項目が昇進を決めるほどウエイトが高く、オペレーション項目は管理職になるまでずっと試験項目に入っていました。

 

食器を洗うスピードで昇進するかが決まるのです。スピードは身体能力の差だと決めつけ疑問を抱きながらオペレーションをやっていた私は、案の定、最初の試験では100人中80位とギリギリラインでの合格でした。

上司「オペレーションを本気でしていないよね」の真意

ある日、当時の上司に言われました。

 

「試験に受かることが目的になっているでしょ。オペレーションを本気でしていないよね。オペレーションから学ばないという姿勢なら否定はしないけど、なぜ今オペレーションをここまでやっているか考えたのか? これを自分で考えられるようにならないと、今後の人生での仕事の姿勢は全部そうなるよ」と。

 

私の気持ちが入っていないことが全部ばれていました。たった1秒をこのように言われる意味は、今はまだ分からない。でも、まずは徹底的にやってみようと決めました。

 

その日から、私は毎日13時間オペレーションの練習を行いました。やっていくうちに1秒の大切さに気づきます。

 

私がいた飲食店は1日で約500の商品が注文されます。500の商品のうち一つを作るのに1秒早まると500秒、約8分間の余裕ができます。

 

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『個人М&Aのススメ』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。最新の法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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