■新型コロナウイルスの感染拡大に対し、米欧を中心にワクチン接種が進展しており、これらの国・地域では経済活動が本格化しています。7月は米国、ユーロ圏、中国でそろって2021年4-6月期の実質GDP成長率が発表されるほか、米国の雇用統計など足元の経済データの発表で景気回復の度合いが注目されます。一方、ワクチン接種の進展がこれらの国・地域よりも遅れている日本では、日銀短観の6月調査結果が公表されます。また、月内には国際通貨基金(IMF)の最新の経済見通しが公表されます。
■6月に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)で示された、FOMCメンバーが適切と考える政策金利水準の分布図(ドットチャート)では、2023年末にゼロ金利政策の解除を適切と考えるメンバーが前回よりも増えました。さらにFOMC後、セントルイス連銀のブラード総裁がタカ派的な発言をしたことで、早期利上げへの警戒感が高まり、市場はリスク回避へと反応しました。7月にはこの時のFOMCの議事録が公表されるほか、再びFOMCが開催されます。今回はドットチャートの公表はありませんが、米連邦準備制度理事会(FRB)の高官等の発言が注目されます。また、欧州中央銀行(ECB)は、6月の会合時に金融緩和政策の維持を発表しているものの、欧州での景気回復を受けてどのような姿勢の変化が見られるのか注目されます。
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(2021年6月24日)
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