エンジェル投資家(これから事業を始めようとする起業家に対して出資を行う個人投資家)の坂元康宏氏は、「日本の会社員はあと10年で滅びる」と主張しており、起業の重要性について説いています。今回は、エンジェル投資家がどのように企業への出資を決めるのか、見ていきましょう。

エンジェル投資家が「経営者との面談」で確認すること

前出の書類を審査させていただいて、違和感がなければ面談をします。

 

投資家によってスタンスはさまざまですが、私は自分および自分の人脈が持っている知識・ノウハウ・人脈は惜しみなく提供し、活用してもらいたいと思っています。また、経営にも積極的にアドバイスをさせてもらいたい方なので、経営状況のみならず経営者との”相性”を重視します。

 

例えば、身なりです。清潔感のある格好をしているかどうかを私は気にします。出資を依頼する相手と会うのに、Tシャツとかヨレヨレのシャツは常識的にあり得ません(もちろん例外もあります)。

 

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

話の内容で重視しているのは、こちらの問い掛けに対してぽんぽんと答えが返ってきて「もっと聞きたい」と思わせてくれるかどうか――。話の上手/下手というよりは”リズム”です。

 

日頃から事業のこと経営のことを考えていれば、考える間もなく答えが出てくるはずなのです。これから築いていく”信頼”とは結局のところ、そうした会話のやり取りを重ねる中で醸成されていくものだと思っています。

 

最近は最初の面談に、CEO(最高経営責任者)とCFO(最高財務責任者)が一緒に来ることが多いです。事業に関することはCEOが熱く語り、財務のことはCFOが正確に説明する――役割分担が明確で間髪入れずに答えが返ってくると、問答慣れしている感じがして好印象です。

 

たまにぶっつけ本番でやってくる人がいるのですが、そうした印象を抱いた時点で残念ながら出資する可能性はかなり低くなります。いきなり会って「今から1時間面談します」と始まるわけではなく、少なくとも数日間の猶予はあったはずです。「こういうことを聞かれたら、こう答えよう」というシミュレーションは事前にすべきだと思います。

 

少なくとも私たちの方は、面談前に相手のことや業界のことを出来る限り調べて、実のある面談にしようと準備して臨んでいるのです。出資を受ける側が何の準備もせずに来たのが分かってしまったら「それはないよな」と思います。いきなり最初からボタンの掛け違いがあったら、うまくいくはずがありません。

 

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※本連載では坂元氏が成功する起業家の特徴や、「エンジェル投資家」について解説していきます。

起業するなら「エンジェル投資家」を口説きなさい

起業するなら「エンジェル投資家」を口説きなさい

坂元 康宏

幻冬舎メディアコンサルティング

海外の若手起業家にとって当然の存在でありながら、日本ではほとんど認知されていないエンジェル投資家。若手起業家の元へ足繁く通い、ハンズオンしてきた著者だから見えた成功者の共通点とは。投資家として、起業家として、エ…

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