狙いは「外国人に人気の観光スポット」
Airbnbを始める際に、どんな街、地域でゲストハウスを探すのかが重要になってきます。当たり前ですが、ゲストは日本を観光するにあたって、便利な場所を好みます。
ただ、ここで間違えないでほしいのが、日本人が好む場所と外国人旅行者が好む場所は、異なることが多いということ。テレビやネットなどで取り上げられる「外国人旅行者に人気の意外なスポット」というようなニュースに目を通しておくと、彼らの好みがわかるでしょう。
一例として、下記図表にホテルやレストラン、観光地などの旅行に関する口コミ・価格比較を中心とするウェブサイト、トリップアドバイザーの「外国人に人気の観光スポットランキング」をあげておきます。
[図表]外国人に人気の観光スポットランキング ベスト30
もちろん、日本人になじみの深い観光地もランクインしていますが、「え! こんなところが!? なぜ?」と思った人も多いのではないでしょうか。
私も最初のうちは、日本人にとっての人気スポットをゲストに紹介することもありました。自宅は東京の自由が丘が近いこともあり、若い女性のゲストに、「自由が丘のAというスイーツ屋さんは、日本人にはとても人気で美味しいですよ」と教えてあげたのですが、まったくもって興味を示しませんでした。
つまり、ゲストハウスを探すポイントのひとつは、訪日外国人の好みを知っていることになるわけです。
ただこれを調べておくことは、ホスト側にとってもメリットがあります。日本人が好む街や地域は、基本的に不動産価格や家賃が高額になりがちです。ホストとしては、〝設備投資〞はできる限り安く抑えるに越したことはありません。その点も考えながら、どこにゲストハウスをかまえるかをじっくりと考えてみてください。
外国人向けガイドブックから旅行者が求めるものを知る
また、もうひとつ大事なことがあります。訪日外国人は、私たちが考えているほど日本の街を知らないということです。
これまでの私の経験からすると、東京の駅でいえば、新宿駅、渋谷駅、原宿駅、浅草駅などは知っていますが、その他の街はほとんどわからないゲストが多かったように思います。東京駅があることさえ知らないゲストがいたほどです。
逆になぜ外国人が新宿、原宿などを知っているかというと、実は外国人向けのガイドブックに大きく取り上げられているから。よく考えてみれば、私たちが海外旅行に行くときも、その国のことを紹介したガイドブックを読み込んで旅の計画をするように、訪日外国人も同じことをしているわけです。
海外の日本を紹介するガイドブックに目を通してみると、訪日外国人が求めているものが、おのずとわかってきます。これらは、大手書店の海外書籍コーナーで見つかるはずです。1冊購入して研究してみたら大きな参考になると思います。
以下、主なガイドブックを紹介しましょう。
【日本を紹介している主な海外のガイドブック】
『lonelyplanet』
2010年時点で、マーケットシェア20%を誇る世界的にとても有名なガイドブック。情報量が非常に多く、観光地や交通案内だけでなく、中立的な立場での地域の歴史や文化、なかにはその地域のマナーなども掲載しています。
『Frommer's』
1957年に『Europeon$5a Day(1日5ドルで旅するヨーロッパ)』の出版でスタートした旅行ガイドの老舗です。300以上の地域に関するガイドブックを出版しています。『Fodor's』アメリカの旅行ガイドブック出版社「Fodor's」が発行。日本のガイドブックは2014年にカラー版で出版され、単なる観光地の案内にとどまらず、ラーメン、野球、AKB48などから、相撲、芸者に至るまで、日本の文化もコラムや特集で紹介されています。
『MichelinGreenGuide』
フランスのミシュラン社が発行している緑色の装丁を特徴とし、対象地域の観光地を案内するガイドブックシリーズ。日本ではレストランの評価を星の数で示すことで知られるレッド・ミシュラン(レストラン・ホテルガイド)のほうが有名でしょう。