コロナ禍、三大都市圏の地価は下落したが…
2020年、新型コロナウイルスの感染拡大は、日本経済に大きな打撃を与えました。その影響は地価にも大きく及んでいます。
国土交通省『地価公示』によると、2021年1月1日時点、全用途平均で6年ぶりに地価は下落しました。「住宅地」は5年ぶりの下落、「商業地」は7年ぶりの下落となる一方、その割合は縮小したものの「工業地」は5年連続の上昇を記録しました。
また東京・大阪・名古屋の三大都市圏では全用途、住宅地、商業地、いずれも下落。地方も上昇から一点、下落に転じましたが、その下落幅は三大都市>地方。また地方の中核をなす、札幌、仙台、広島、福岡の地方4市については、その割合は縮小したものの、引き続き、上昇を継続しています。
【地価変動率の推移(年間)】
※数値左から、2018年、2019年、2020年の地価前年比
■全国
全用途:1.2%→1.4%→-0.5%
住宅地:0.6%→0.8%→-0.4%
商業地:2.8%→3.1%→-0.8%
■東京圏
全用途:2.2%→2.3%→-0.5%
住宅地:1.3%→1.4%→-0.5%
商業地:4.7%→5.2%→-1.0%
■大阪圏
全用途:1.6%→1.8%→-0.7%
住宅地:0.3%→0.4%→-0.5%
商業地:6.4%→6.9%→-1.8%
■名古屋圏
全用途:2.1%→-1.9%→-1.1%
住宅地:1.2%→1.1%→-1.0%
商業地:4.7%→-4.1%→-1.7%
■札幌・仙台・広島・福岡
全用途:5.9%→7.4%→2.9%
住宅地:4.4%→5.9%→2.7%
商業地:9.4%→11.3%→3.1%
出所:国土交通省『地価公示』より
新型コロナウイルス感染拡大の影響によるニーズ減はあったものの、いまから10年ほど前のリーマンショック時と比較すると、その落ち幅は小さくなっています。その背景には、今回のコロナ禍では、住宅地では低金利や住宅取得支援の継続、商業地では経済対策や企業の資金繰り支援があると推測されます。
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