2020年に突如として世界を襲った新型コロナウイルスの猛威はいまだ収束を見込めていませんが、それは「投資するべき国No.1」にも選ばれたフィリピンでも同じこと。一方で、コロナ収束後を見据えた絶好の仕込み時と捉える動きも。世界の投資家が注目するフィリピン株式市場について、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターである家村均氏がレポートする本連載。今回は安定的な利回りが期待できる、フィリピン株式の優先株について見ていきます。

 

次は筆者の好きなビールブランド「サンミゲル」の優先株を見て行きます。現在、市場には「SMC2C」から「K」まで多くの種類の優先株式が出ています。「サンミゲル」はフィリピンで圧倒的なシェアナンバーワンビールメーカであるだけではなく、新しい国際空港の建設・運営を手がける巨大インフラ企業でもあり、その資金需要は莫大なものがあり、これら多くの優先株の発行を行っているわけです。

 

利回りは、平均して6%前後と、かなり高い水準にあります。しかし、ほとんどの優先株式は今年中に満期を迎える予定なので、満期日も考慮しなければなりません。「2I」または「2K」は2023年に満期で、利回りはそれぞれ6.1%と4.4%程度です

 

次に「ペトロン」の優先株を見て行きます。「PRF3A」と「3B」です。利回りはだいたい6.3%くらいです。これらは2024年と2026年に償還される予定です。同社のビジネスは主に石油小売つまりガソリンスタンドチェーンです。競合は、オイルメジャー系企業の「シェル」や「カルテックス」、「シェブロン」です。

 

ただ同社が競合と違うのは、上流の石油精製事業を行っていることです。「ペトロン」はフィリピンで唯一の石油精製事業者です。そういう意味では、フィリピンにおいては、「ペトロン」はオイルメジャー系グローバル企業に対して強い競争力を持っているといえます。実際「ペトロン」はフィリピン最大の石油小売業者ですし、より利益率の高い石油精製事業を有しているという点が大きなアドバンテージです。 また、マレーシアにも進出していて、ビジネスの10%程度になると思います。

利回り約6%「アヤラランド」のREIT

最後にREITについてお話しします。

 

現在、フィリピン株式市場に上場しているREITは2社だけです。一つはフィリピン最大ディベロッパー「アヤラランド」のREITである「AREIT」、そしてもう一つが「ダブルドラゴン」という元気の良いディベロッパーのREITです。

 

「AREIT」は、現在利回りは約6%です。「AREIT」に含まれる物件のほとんどは、マカティという日本でいえば東京の大手町のような中心地のオフィスビルです。面積ベースで約34万平方メートル程度です。日本の株式市場でもコロナ後相場で大手ディベロッパーやREITの株価が上昇基調に入っていますが、フィリピンでも長期的な視点での高配当銘柄として、特に超優良資産を組み入れている「AREIT」などはポートフォリオに欠かせないのではないかと思います。

 

 

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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