判断能力が衰えたあとの本人の財産管理を助ける制度に、「後見制度」と「家族信託」があります。今回は、2つの制度の違いを7つの視点から見ていきます。※本連載は、海老原佐江子氏の著書『家族に迷惑をかけたくないあなたが認知症になる前に準備しておきたいこと』(WAVE出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

家族信託は、本人の判断能力が衰える前でも利用可能

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

「後見制度」(法定後見・任意後見)も「家族信託」も、判断能力が衰えたあとの本人の財産管理を助ける制度です。そのどちらを使えばよいのか迷う人もいるでしょう。そこで、これらの主な違いについて説明します。

 

①判断能力は関係するのか

すでに本人の判断能力の衰えが相当進んでしまっていると、「任意後見契約」や「信託契約」は結べないので、「法定後見」を利用するしかありません。一方、「後見制度」は、本人の判断能力に問題がない時点では利用できませんが、「家族信託」であれば本人がしっかりしている時点でも利用できます。

 

②身上監護(身のまわりの法律行為)が含まれるか

「家族信託」は、あくまで財産管理のための制度です。そのため、例えば、本人の介護施設の入所契約を、信託を使って結ぶことはできません。本人の身上監護が必要なときは、「後見制度」を利用してください。

 

③財産管理者を自分で選べるか

「法定後見」では、裁判所が成年後見人を選任するため、本人が「この人に後見人をお願いしたい」と思っても認めてもらえないことがあります。それに対して、「任意後見」と「家族信託」では、本人が契約の相手を選ぶことができます。

 

④相続税対策や投資ができるか

「後見制度」では、本人の財産を増やす目的でも、不動産や株式などに投資して運用することは認められません。また、相続税対策のため、収益物件を購入するなどの行為も認められません。なぜなら、後見制度は本人の財産を守るための制度だからです。

 

しかし、「家族信託」にはそのような制約はなく、受託者の権限内であれば、投資や相続税対策もできます。そのため、資産運用や相続税対策が必要な人は「家族信託」を選べばいいのです。

 

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