不動産オーナーを悩ませるトラブルの代表的なものとして、入居者の迷惑行為があります。なかでも家賃滞納や、不適切な利用による物件の毀損などは代表的で、対処にあたるストレスは並大抵ではありません。本記事では、そんな困ったトラブル事例と解決策を紹介します。

超高級賃貸物件でカビが大量増殖中!責任の所在は?

 

都内にある富裕層向け賃貸戸建内での話です。入居者の女性経営者の室内が大規模なカビ被害に見舞われ、超高級ブランドのバッグや衣類がクリーニングに出しても除去できないほどカビまみれになったと、家主にクレームが入りました。

 

これらの物品は、地下にある約10畳のクローゼットに収納されていましたが、おそらく、クローゼットの隣の浴室の湿気も相まってカビが増殖したのではないかと推測されました。

 

入居者は、高度な技術を持つクリーニング業者へ依頼するための費用を家主に要求しましたが、家主は「入居者の換気・清掃管理が行き届いていなかったことが原因」として支払いを拒否しました。入居者はそれを受けて速攻退去を申し出るだけでなく、「退去後は裁判所に訴える」とまでいい放ちました。

 

その後、入居者と家主の双方に弁護士が付いて話し合いが持たれました。入居者側は「私有財産のカビの完全除去費用と敷金の全額返還」を要望、家主側は「室内カビの特殊清掃費を含むハウスクリーニング費用を差し引いた敷金返還」で対抗し、まだ結論が出ていない状況です。

 

賃貸借契約期間として10年が経過しており、入居者の原状回復義務期間(6年)は終了しています。とはいえ、カビによる壁や床の深層部被害も出ているため、物件価値の低下は避けられません。家主側は「ハウスクリーニング費用だけでなく、建物のカビ被害を弁償する費用も貰いたいくらいだ」と嘆いています。

物件の価値を守るためにも、家主は自発的な行動を

 

上述のように賃貸経営にあたっては、家賃滞納と契約違反が頻出するトラブルだといえます。また、富裕層向けマンションでのカビ被害のように、貸し手と借り手のどちらに否があるか判然としないトラブルの場合は、解決までに長期間を要することになり、家主のストレスは計り知れません。

 

家賃滞納を繰り返す入居者は、「建物明渡請求」で強制退去させる方法がありますが、それを行うには3ヵ月以上連続した滞納履歴が必要であり、それをかいくぐろうとする悪質な滞納常習犯もいるため、十分な注意が必要です。

 

入居の申込み契約時には問題が見受けられなかった入居者でも、いとも簡単にルールを破る悪質なケースは珍しくありません。犯罪の現場にされたり、あるいは犯罪被害を受けてしまった賃貸物件は、価格でしか貸せなくなってしまいます。契約後も、定期的に家賃が入るからといって安心せず、オーナーは自身の目で確認を取り続けることが求められます。

 

 

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※本記事は、「ライフプランnavi」に掲載されたコラムを転載・再編集したものです。

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