お金で苦労しないためには、「正しい知識」を知り、「知恵」を身につけることが大切です。そしてこの2つは、何歳からでも習得することができます。お金との正しい付き合い方を学んでいきましょう。今回は、老後が不安になる根本的な理由をお金の面から考えていきます。※本連載は、大江英樹氏の著書『いつからでも始められる 一生お金で困らない人生の過ごしかた』(すばる舎)より一部を抜粋・再編集したものです。

マスコミや金融機関にとって「老後不安」は商材

では、なぜ彼らは「老後不安」を煽るのでしょうか?

 

答えは簡単です。「老後不安」は彼らにとって大きな“商材”だからです。報道において、楽しいことや安心できることは、なかなかニュースになりません。当たり前のこともニュースバリューは低いものです。

 

よく言われるように「犬が人を嚙んでもニュースにはならないが、人が犬を嚙んだらニュースになる」のです。事故や犯罪、問題点や不安こそがよく読まれる記事になります。だからマスコミが不安を煽るような報道になるのは、ある意味当然なのです。

 

金融機関の場合はもっとわかりやすい構図です。老後が不安だからこそ、彼らが販売する金融商品、例えば、保険や投資信託等が売れるからです。

 

彼らにとっては年金が破綻してくれないと困るのです(彼らの期待には添えませんが、年金は破綻しません)。そんな金融機関の不安煽り型営業に惑わされて、変な金融商品を買ってしまうほうが、よほど老後不安につながりかねません。

 

後ほど少し詳しくお話をしますが、普通に生活していれば、それほど老後のお金の不安は大きいわけではありません。むしろ変な投資商品を勧誘されて、それにお金を投じて損をすることのほうが、はるかに筆者は心配です。

 

だからと言って、マスコミや金融機関を責めてみても仕方ありません。彼らは自分達の仕事を忠実にこなしているだけだからです。

 

マスコミで言えば、読者を増やすことや視聴率を上げることですし、金融機関であれば、より多くの金融商品を販売して利益を拡大することが彼らの役割です。普通の営利企業ですから、多くの利益を挙げて株主に報いなければなりません。虚偽の表示や不適切な勧誘といった法律違反でなければ、彼らを一方的に責めても仕方ないでしょう。

 

大事なことは、われわれがしっかりと勉強して、自分の頭で考えて判断する能力を持つことです。マスコミの報道にしても金融機関の姿勢にしても中立ではなく、老後不安を煽るバイアスの存在を知っておくことが大切でしょう。

 

 

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