前回は、私募リートに不動産が組み入れるプロセスを説明しました。今回は、企業が私募リートを組成することで得られるメリットを見ていきます。

不動産を貸借対照表から切り離なせる

企業が私募リートを組成する場合、もとから自社で保有していた不動産を投資法人に譲渡するケースが一般的です。その場合にも、もちろんここまで述べた手続きをとることが必要となります。

 

ちなみに、自社保有の不動産を私募リートに組み入れる場合、企業はオフバランスの効果を享受することが期待できます。「オフバランス」とは、事業で活用している資産・負債を、貸借対照表(バランスシート)に計上されないよう切り離すことです。

企業の財務状況を改善することが可能

たとえば、不動産価格が年々下落していくような状況で不動産を持ち続けていれば、企業の財務状況に悪影響がもたらされるおそれがあります。

 

しかし、オフバランスによって不動産を貸借対照表から切り離しておけばそうした事態は防げますし、また不動産の売却によって得た資金で有利子負債を返済すれば資産全体の圧縮も図れます。さらには、より収益性の高い不動産に投資するという選択肢も考えられます。

 

このように、私募リートを組成することにより、企業は不動産をもつリスクを大きく減らすと同時に、自社が発展していくための資金を効率的に調達することが可能となるのです。

 

【図表 オフバランスのイメージ】

本連載は、2016年1月25日刊行の書籍『世界一わかりやすい私募REITの教科書』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

世界一わかりやすい私募REITの教科書

世界一わかりやすい私募REITの教科書

初村 美宏

幻冬舎メディアコンサルティング

取引所に上場せず、オープンエンドで運用される不動産投資ファンド「私募REIT」。 1990年代にアメリカで人気となり日本でも2001年から発売が開始、不動産投資市場でも急成長を遂げている人気の投資商品である。主な投資者は機…

カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録