日本の持ち家率は8割超。多くの人が住宅ローンを利用して、夢のマイホームを実現しています。このとき気になるのが「いくら借りられるか」。多くが年収を基準に決められていますが、そこばかりを重視すると家計破綻を招くことになるかもしれません。

「住宅ローンの借入上限」は年収によって決まる

総務省『2020年家計調査』によると、二人以上世帯の持ち家率は85.6%。この10年で10ポイント以上上昇し、持ち家志向の高まりが顕著になっています。

 

また国土交通省『令和元年度住宅市場動向調査』によると、購入の形態によりますが、購入資金は4000万円前後、そのうち戸建ての場合は自己資本率が30%弱、新築分譲マンションの場合は40%弱。残りは住宅ローンを活用しています。

 

【購入住宅別…購入物件/返済の平均像】

■新築注文住宅

世帯平均年収 744万円

世帯主平均年齢 43.2歳

購入資金(住宅+土地)4615万円(うちローン3361万円)

住宅建築資金返済期間 32.1年

土地購入資金返済期間 33.8年

住宅ローン年返済額:123.2万円

 

■新築分譲住宅(一戸建て)

世帯平均年収 688万円

世帯主平均年齢 36.8歳

購入資金 3851万円(うちローン2830万円)

平均返済期間 32.7年

住宅ローン年返済額:121.6万円

 

■新築分譲住宅(マンション)

世帯平均年収 798万円

世帯主平均年齢 43.3歳

購入資金 4457万円(うちローン2702万円)

平均返済期間 31.5年

住宅ローン年返済額:131.6万円

 

出所:国土交通省『令和元年度住宅市場動向調査』

 

実際に住宅購入を検討する際、ほとんどが住宅ローンの活用が必須ですから、「いくら借りられるか」によって、購入する物件が変わります。「いくら借りられるか」は、「いくら返せるか」、とイコール。適正な返済額でローンを利用しなければ、返済が滞りローン破綻ということも現実味が帯びてきます。借りる前に適正値を知ることが大切です。

 

住宅ローンは色々な商品がありますが、多くがすべての借入れ額に対して、年収に占める年間合計返済額の割合「総返済負担率」が(=総返済負担率)が基準を満たすかどうか判断され、その基準は商品によってまちまちです。

 

たとえば住宅金融支援機構の固定金利の場合、年収400万円以下であれば総返済負担率は30%以下、400万円以上であれば35%以下とされています。

 

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