(※写真はイメージです/PIXTA)

日本人の平均寿命は延び、男性の4人に1人、女性の2人に1人が90歳まで生きるとされています。もし65歳で定年退職すると、残り25年間は、医療費の上昇などで支出増加が予想されるなか、年金と貯蓄だけで生活する必要があります。そこで今回は、将来の支出増加に備えて生活費から削れるものを考えていきます。※本連載は、岩崎博充氏の著書『「年金20万・貯金1000万」でどう生きるか - 60歳からのマネー防衛術 -』(ワニブックス)より一部を抜粋・再編集したものです。

将来の支出増に備えて、生活費で「削れる部分」を探す

生活水準を現役時代よりも下げる、節約する、といったことは、年金以外にある程度余裕がある人でも、当然考えなくてはなりませんが、「とにかく夫婦20万円前後の年金だけでなんとか暮らしたい」となれば、大幅に水準を下げざるを得ないでしょう。

 

ただ問題は単純に生活水準を引き下げて節約する方法が、今後役に立つかどうかということです。これまで夫婦で30万円かかっていたところをあちこち節約し、年金範囲内の20万円に引き下げるだけで、本当にだいじょうぶなのか、考えておきましょう。

 

日本人が90歳まで生存する割合の年次推移を見ると、1975年には男性が5.4%、女性は12.0%でした(厚生労働省「簡易生命表の概況」2016年版より)。ところが2016年になると、男性25.6%、女性49.9%が存命。男性の4人に1人、女性の2人に1人が90歳まで生き残ることになります。65歳で定年退職したとしても、残り25年間は4人に1人の男性が、女性の半分は生き残ることになります。

 

その間、おそらく公的年金はほとんど値上がりしないでしょうから、いまの金額で生活を維持していかねばなりません。

 

現在の物価水準そのものは25年前の1994年と比較してもあまり大きく変わりませんが、これからの25年も変わらないとは言えません。これまでより節約しても、物価が上がれば支出が増える可能性もあります。

 

しかも、医療費などは年齢とともに上昇していくことになります。60代前半では年間35万円程度ですみますが、70代前半では60万円程度、80代前半では90万円台、90代前半では110万円前後かかると言われています(厚生労働省「平成27年度国民医療費の概況」)。個人負担はこの1~2割ですが、25年後には5割負担になっている可能性も否定できません。医療費そのものも高くなっているかもしれません。

 

現役時代より増える支出もある、ということを考慮しながら、今の生活から「削れる部分」を考えてみます。

生命保険…年齢に合わせて保険金額を減額していく

まずは保険です。日本人ほど生命保険の好きな国民はいないと言われますが、60歳を過ぎたら保険の見直しをしましょう。現役時代、勧められて複数入っている保険の内容が重複している場合もあります。必要なものに絞ってまとめましょう。

 

死ぬまで保険金が出ない「終身保険」に入っている人も多いと思いますが、できれば年齢とともに、また子供たちが巣立っていく年齢に合わせて保険金額を減額していくのが賢い方法です。

 

少なくとも、子供が独立もしくは結婚したケースでは、もう多額の保険は必要ありませんから、終身の死亡保険は数百万円程度に抑えて、逆に「医療保険」や「がん保険」を増やすなどの調整をすることが大切です。保険金額を減額すればするほど、毎月支払う保険料は減っていきますから、大きな節約になります。

 

ネットのみで販売している保険も検討してください。店舗・窓口がなく、保険外交員などの人件費がかからないぶん、掛け金がかなり安いものが増えています。どうしていいかわからない場合は、「ほけんの窓口」「保険見直し本舗」などを訪れて、現在加入中の保険の内容確認などを手伝ってもらうといいかもしれません。相談は無料です。

 

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「年金20万・貯金1000万」でどう生きるか - 60歳からのマネー防衛術

「年金20万・貯金1000万」でどう生きるか - 60歳からのマネー防衛術

岩崎 博充

ワニブックス

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