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ドイツの30年ものグリーンボンド:60億ユーロの募集に対し389億ユーロの需要
ドイツ債務管理庁が2021年5月11日に発表したドイツの、30年物のグリーンボンド(環境債)の需要は60億ユーロの募集に対して389億ユーロに上りました。このドイツのグリーンボンドの発行利回りは同年限の30年国債(図表1参照)を2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下回ったと報道されています。
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
国債よりも環境に配慮した同債券の方が借り入れコストが低くなる「グリーニアム(グリーンボンドのプレミアム)」と呼ばれる現象が見られました。
なお、今回のドイツのグリーンボンド発行は今年になって初めてですが、昨年は9月に初のグリーンボンドとなる10年物、11月に5年物を発行しています(図表2参照)。
どこに注目すべきか:グリーンボンド、国債、CBI、イールドカーブ
企業や地方自治体等が、国内外のグリーンプロジェクトに必要な資金を調達するために発行する債券をグリーンボンドと呼びます。気候変動などESG投資への関心が高まる中、グリーンボンドの発行額も増加傾向です。環境問題で先行するといわれる欧州では企業だけでなく国もグリーンボンドの発行体として広がりを見せ始めそうです。
脱炭素経済への投資促進を目的に設立された非営利団体である気候債券イニシアチブ(CBI)によると、世界のグリーンボンドの昨年の発行額は約2700億ドル程度で、過去最高を記録しました。なお、21年の発行額は4000億~4500億ドルへ拡大すると見込まれています。また、グリーンボンドの市場規模は昨年末で1.1兆ドル程度とCBIの報告書が発表しています。
グリーンボンドの発行体としては、企業、銀行など金融機関、地方自治体が主で、国が発行体となるソブリン債は比較的少なくなっています。もっとも、国をバックとする発行体によりグリーンボンドが発行されるケースは多数見られます。
国債としてのグリーンボンドの発行としては、図表2に示した欧州に加え、チリ、インドネシア、エジプト、ナイジェリアなどがありますが、欧州が多くなっています。また、英国も年内にグリーンボンドの発行を予定しています。
今回のドイツのグリーンボンドは30年債で発行されました。この結果ドイツは5年、10年、30年と、徐々にグリーンボンドによるイールドカーブが形成されつつあります。他の欧州の債券は償還期限が1つしかないケースがほとんどです。グリーンボンドのイールドカーブが形作られることが期待されます。
なお、ドイツの30年グリーンボンドは人気が高かったこともあり、同年限の国債(利率0%、2050年8月15日償還)を2bp下回る(価格は高い)水準となりました。限定的とはいえ既存の国債の利回りを押し上げた可能性さえも考えられます。
欧州ではグリーンプロジェクトなどに投資する8000億ユーロ規模の復興基金が立ち上がる予定で、その3割程度はグリーンボンドによる調達が見込まれています。グリーンボンドの動向には今後も注目が必要となりそうです。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『人気を集めるドイツのグリーンボンド』を参照)。
(2021年5月11日)
梅澤 利文
ピクテ投信投資顧問株式会社
運用・商品本部投資戦略部 ストラテジスト
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