相続税対策だけでなく収益性にも目を向ける
土地活用を成功させるためには、何に注意をすればいいのでしょうか。
ポイントはたくさんありますが、その中でも、次の5つは特に重要です。常にこれら5つの視点から土地活用を考えることで失敗の確率を小さくすることができるのです。
また、土地活用は相続対策に有効ですが、それだけではありません。むしろ収益性に目を向けた方がいい場合も少なくありません。
【成功するために必要な5つの視点】
1.投資分析の視点
土地活用、マンション経営は多額の費用がかかる投資です。ですから、その物件に「収益性」があるのかどうか、投資した費用を回収するために「安全性」はどうか、「収益」が見込めるかどうか。これらを事前にしっかりと分析を行ってから始めることが大切です。
2.市場分析の視点
いくら収益性や安全性の計算をしていても、建てたマンションに市場性がなければ投資効果は出ません。地元不動産業者へのヒアリング、市場分析などを行い、そこのエリアの需要と供給のギャップを見つけ出すことが大切です。
3.ファイナンスの視点
多くのオーナー様が金融機関から借り入れをおこしてマンション建築をする事になると思います。そこでスムーズに融資を受けるために、担保があるかなどのご自身の現状から、資金調達が可能かどうか、そして各金融機関が融資を判断する際のモノサシとして何に重きを置いているのかを事前に知っておくことも大切になります。
4.財産継承の視点
2015年1月に行なわれた相続税制改正もあり、相続対策として土地活用をする方も多くいらっしゃると思います。そんな方は、将来相続が発生した時の遺産分割の問題や、納税資金の対策なども考慮してどのような活用方法にするか検討する事が大切です。
5.タックス・プランニングの視点
節税対策としてマンション建設をするオーナー様もいらっしゃいます。その際にどのような建物を建てるとより効果的なのか、減価償却のことを考えるとどのような構造が良いのか、税引き後のキャッシュフローを最大化させるためには個人と法人どちらが良いのか、などの戦略が大切になってきます。税金を極める者が土地活用を制すと言われる程、「税金」の知識は土地活用にとって欠かせないものです。
賃貸事業のリスクを理解して事前に対策を打つ
そして、マンション経営を成功させるためには、リスクがあることを理解し、事前に対策を立てておくことが重要です。
しかしながら、多くの人はそのメリットにばかり注目し、リスクはあまり意識していないようです。相続対策で自分の土地に賃貸マンションを建て経営を始めたが結果的にうまくいかなかったという人は、ほぼ例外なく認識が甘く、適切な対応をとってきていないといえます。これでは成功しないのも無理はありません。
それでは賃貸事業にはいったいどんなリスクがあるのでしょうか。主なものを以下に挙げておきます。
【賃貸事業の主なリスク】
1.家賃の下落
2.空室率の増加
3.間取りの陳腐化(時代のニーズと合わなくなる)
4.家賃滞納の増加
5.犯罪被害・入居者トラブル
6.メンテナンス・リフォーム費用の増加
7.大規模修繕の資金の捻出
8.所得税・法人税の増加(デッドクロス=元金返済と減価償却費の逆転)
9.金利の上昇
これらのリスクを理解せず漫然と賃貸マンション経営を続けているところに、突然賃相場が下がりはじめ、さあどうしようと慌てたところでもうどうにもなりません。
そして家賃保証や一括借り上げだから安心というのも間違いです。これが当初の計画通りにいくとはかぎらず、実際にトラブルも頻発しています。そんなものに頼らず、最初から入居率のよい賃貸マンションやアパートを目指すべきなのです。