思わぬケガや病気などで、予想外の出費を強いられることがあるかもしれません。しかし、日本は社会保障制度が充実しているため、万一の際も手厚いサポートを受けることができます。今回は、最低限知っておきたい保険や年金についての基礎知識を紹介します。※本記事は、『お金の基本ゆる図鑑』(宝島社)より抜粋・再編集したものです。

会社員と公務員は厚生年金、自営業者は国民年金

●老後に備えて年金受給額を把握しておこう

 

老後の主な収入となる年金は、大切な生活資金になります。老後にお金で苦労しないようにしっかり納めておくべきなのはもちろん、それでも足りない分は計画的に準備しておきましょう。

 

厚生年金のない個人事業主は、付加年金や国民年金基金といった独自の年金制度もあります。iDeCoやつみたてNISAなどの個人年金保険と併せて検討してみましょう。

 

 1.会社員と公務員は厚生年金 

 

会社員や公務員のように、厚生年金に加入している人を第2号被保険者といいます。自動的に国民年金にも加入していることになるため一般的に年金受給額が多くなります。

 

 

 2.扶養されている人は国民年金保険 

 

第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の人は、第3号被保険者となります。年収が130万円を超えると資格を失います。年金への加入は、日本に住む20歳以上60 歳未満の人に義務づけられていて、原則として65歳から受け取ることができます。加入する年金や、保険料を納めた期間に応じて受け取れる金額が異なるのですが、満額受け取れたとしても老後の生活費は月々約7.5万円不足するといわれています。

※総務省「家計調査報告(2018年)」、厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況(2016年)」より算出

 

 

 3.個人事業主は国民年金保険 

 

第1号被保険者は、20 歳以上60 歳未満の自営業者や農家などの個人事業主とその家族、または学生です。2020 年度の1人あたりの保険料は月額1万6540円で、世帯主がまとめて支払うことになっています。

 

 

 4.個人年金保険に加入する 

 

個人年金に加入しておくと、国から受け取る年金では足りない場合の備えになります。会社員、自営業を問わず加入でき、確定申告をすると税制優遇制度が利用できます。個人年金には、iDeCoやつみたてNISAなどがあります。

 

 

◆memo◆

納付期間が長いほど年金は増えます。それ以外にも夫婦で共働きをする、個人年金に加入する、年金の受け取り開始の時期を遅らせるなど、将来もらえる年金を増やす方法があります。

 

(本文イラスト:藤井 晶子)

 

 

平野敦士カール

カール経営塾 塾長

株式会社ネットストラテジー 代表取締役社長

社団法人プラットフォーム戦略協会 代表理事

 

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