「接し方がわからない」「予想外の反応に戸惑う」大人の発達障害に悩むのは本人だけではありません。本連載では、長年、医療福祉相談員として働いてきた野坂きみ子氏が語る、ともに向き合い、仕事をしていくうえで必要なことを紹介します。

発達障害チェックシートは、該当する人が少なくない

発達障害の理解が進み、このようにタイプが示されてくると、自分は大丈夫だろうかという不安がよぎり、「発達障害かもしれない症候群」などと言われてしまう始末です。ネットを開けば発達障害だけではなく過敏性性格やさまざまなチェックシートがあり、試してみることができます。

 

困ったことに、気にしている人が使うと結構該当したりします。「ネットのチェックシートをしてみたのですが、私、この障害ではないでしょうか」と相談の中で言う人も珍しくありません。

 

「ネットのチェックシートをしてみたのですが……」(画像はイメージです/PIXTA)
「ネットのチェックシートをしてみたのですが……」(画像はイメージです/PIXTA)

 

チェックシートも診療や相談の導入として有効な時もありますが、気にしている人が一人でやって不安を増長するのはよいとは思えません。自分のことを誰かにこうだと言ってほしい、決定してほしいというのは、占いとほぼ同じです。

 

具体的に何に悩んでいるのか、何に不安を感じているのかが重要で、自分の問題として、身近な信頼できる人に相談する、精神的不調がありつらいのであれば精神科を受診するなどしていただきたいと願います。

 

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野坂 きみ子

1958年、札幌生まれ。
大学卒業後、精神科病院、リハビリ病院、総合病院、一般病院と30年余り病院の医療福祉相談員として働く。その後3年間、ハローワークで障害者就労支援の仕事をする。現在メンタルクリニック勤務。精神保健福祉士。北海道大学大学院社会システム科学博士後期課程中退。

 

 

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『“発達障害かもしれない人”とともに働くこと』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。最新の法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

新・健康夜咄

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髙山 哲夫

幻冬舎メディアコンサルティング

最新医療機器より大切なものは、患者さんを想う心――。著者のところには、がん、糖尿病、嚥下困難、胃ろう、認知症、独居うつ、褥瘡など、様々な病気をもつ高齢の患者さんがやってくる。地域の高齢な患者さんの声に真摯に耳を…

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