詐欺の被害総額は10年前の3倍!手口も巧妙化…

「○○おばあちゃん?俺だよー」
オレオレ詐欺の新型は、実際の名前で電話がかかってきます。
今やオレオレ詐欺は進化していて、流通している名簿から個人情報を入手した上で、電話してくるのです。あの手この手で高齢者の財産を狙ってきます。
かつては一人で電話してきたのが、今は警察官、弁護士など複数の登場人物で電話をかけてきて、組織的なグループで高齢者を狙い撃ちしてきます。また、オレオレ詐欺が社会問題として定着したことを逆手に、警察官や銀行職員と名乗り、騙してくるケースも出てきました。誰を信用したらいいか、わからなくなります。
詐欺の多発を受けて、ATMでの振り込み限度額は10万円に制限されました。その結果、振り込みだけでなく、現金書留や宅配便で送金させる、直接お金を取りに来るなど、現金のやり取りも多様化してきました。
二次被害も増えています。原野商法を例に出しましょう。将来値上がりすると信じ込まされて、資産価値のない山林や原野を購入するところから始まります。結局売れず20年近く放置していたところに、「今、リゾート開発が進んでいる土地の近隣で、値上がりをしています。500万円で売却が可能です!」と近づいてきます。そして、広告や測量費用が必要と騙されて、約50万円近く悪徳業者に支払うのです。
何度か北海道のニセコの原野(土地)の価値を調べたことがありますが、値段がつきませんでした。騙されて買ってしまった高齢者は、20年以上経ったことによって「もしかしたら」という心理が動いてしまって、2回目も騙されるのでしょう。60代で欲につられて原野を購入し、そして80歳になって判断能力が低下したところで2度騙される。
国、役所、銀行が一丸となって詐欺グループを追跡しても、騙される人が減ることはありません。高齢者だから騙されるのか、詐欺グループが一枚上手なのか……。
令和元年の被害総額は315.8億円で、10年前の被害総額と比べて3倍も伸びています。被害者のうち60歳以上が約88%で、このうち3人に2人が女性です。一人暮らしをする60歳以上の女性は、特に注意をしなくてはいけません。
認知症または認知症予備軍であれば、判断能力が低下しているため一般の高齢者よりもはるかに詐欺の被害に遭う確率が高くなります。認知症患者の数は増加しているため、被害総額も比例して増加していると考えられます。
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