発達障害のIT社長が語る「障害の多様性の理解」に必要なこと

発達に凸凹がある子どもの保護者にとって「どんな支援サービスを選んだらよいか」は頭を悩ませるテーマのひとつだといえます。今回は、発達障害グレーゾーンの特性をIT分野で活かし経営者となった齋藤秀一氏が、自身が放課後等デイサービス「ココトモ」運営にあたり、意識しているポイントを解説していきます。

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障害福祉施設として子どもたちを理解するためには…

障害の多様性の理解。それは子どもたち一人ひとりと本当にちゃんと向き合うということでしかありません。

 

どうすれば障害福祉施設として、いろいろな子どもたちを理解してあげられるのか。それにはITの活用だけでは不十分です。他者理解を、職員教育においてもどのように施設運営のあり方、マニュアルなどに落とし込んでいけるかも大事になってきます。

 

あくまで施設の主役は現場の職員さんたちであり子どもたち、保護者の方々です。その
人たちのためにどれだけ深く考えられるか。それは著者の課題でもあると思っています。

 

(画像はイメージです/PIXTA)
障害の多様性を理解するには…(画像はイメージです/PIXTA)

著者の気付き「自分だけが特別に変ではなかった」

長い間、著者は自分だけが特別に「変な奴」だと思い込んで生きてきました。けれども障害福祉の世界に入ると、著者と同じように、いや著者なんかよりもずっといろいろなことに苦しんだり悩んで、生きづらさを抱えている人がたくさんいるのを目の当たりにしたのです。 

 

自分だけが特別に変ではなかったと、ある種救われた気持ちになると同時に、こうした特性は決して悪いものではなく、自分にとってもその子にとっても「ただそういう部分もある」というだけのことだと考えられるようになりました。

 

とはいえ、障害を理解するのは簡単ではありません。著者が運営する施設に通っている子たちも、みんなが自分の障害を理解しているわけではない。どこでどんなふうに伝えるのがいいのか、伝えないほうがいいのか、これも正解はないのです。

施設運営の上では障害の他者理解と自己理解が重要

大きな考え方でいえば、人はどんな人も一人ひとり違っています。それぞれが個性をもっ ている。いろいろな人がいるのが当たり前で、みんな誰かと比べれば自分と違っているわ けです。

 

ただ、現実に障害を感じながら生きていかないといけないときに、自分の障害や特性について、何が得意で何が不得意なのか、できることは何で、サポートがあったほうがいいのはどういうことかの自己理解も必要になります。こうした障害の他者理解と自己理解。僕たちの施設運営ではどちらもとても大事だと考えています。

 

そしてそうした大事なことを職員が自分一人で抱えて解決するのではなく、施設に関わる人みんなで、もっといえば行政や病院、保護者、学校などの関係機関と一緒に「チー ム」として力を合わせていくことを忘れないようにしています。

利用者に近い存在でいられるように施設側が努力する

そもそも僕たちが起業してネットアーツ( ITシステム開発会社。「創造無限 人への念いが創造の源になる」を経営理念に掲げ、全国2000以上の児童発達支援・放課後等デイサービス事業者に施設運営システムHUGを提供)を創業したのは、パソコンはたくさんの人に行き渡ったけれど、その分「使いこなせない人が増えている」現状をなんとかしたいという想いからでした。

 

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株式会社ネットアーツ 代表取締役
株式会社まなぶ 取締役会長
株式会社ココトモファーム 代表取締役

不登校だった少年時代を過ごし、社会人になってからは自分の居場所を見つけられず転職を繰り返すも、自身の特性が特技になることに気づき2001年にITシステム開発会社の株式会社ネットアーツを創業。「創造無限 人への念いが創造の源になる」を経営理念に掲げ、全国2000以上の児童発達支援・放課後等デイサービス事業者に施設運営システムHUGを提供。さらに2015年には株式会社まなぶを設立し、愛知県西尾市で放課後等デイサービスココトモを5施設、2019年6月には愛知県名古屋市で就労移行支援ココトモカレッジを開設・運営。

ITと障害者支援の自社ノウハウを活かし、2019年9月愛知県犬山市に農福連携のための農業法人“株式会社ココトモファーム"を設立する。「ココでトモだちになろう」をテーマに人と人がつながる農業を実践。

農業×福祉×ITという仕組みで、これまで縦割り行政で生じていた壁を越え、生きづらさを抱える人たちが制度に依存せず自立でき、生きがいを感じられる働き方ができる社会に向けた活動を行っている。

著者紹介

連載発達障害の僕が「農業×福祉×IT」の社長になったワケ

発達障害でIT社長の僕

発達障害でIT社長の僕

齋藤 秀一

幻冬舎メディアコンサルティング

発達障害は一見して「障害」とは分かりにくく、周囲の理解を得づらいため、生きづらさを抱えてしまうのです。 本書では、発達障害グレーゾーンの特性をIT分野で活かし経営者となった著者が、障害を才能に変え、自分の居場所…

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