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殺処分となる犬・猫は3万2743頭…都道府県別に見ると
癒しや安らぎを求めて飼い始めたはいいですが、飼い主のライフスタイルがずっと一緒とは限りません。飼い始めてから意外とお金がかかると、手放す人も少なくないでしょう。実際に飼い始めた後に「こんなはずではなかった!」というギャップに飼育を放棄する人も珍しくありません。
環境省『犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況』によると、2019年4月1日~2020年3月31日の1年間で引き取られた犬は3万2555頭、猫は5万3342頭。そして残念ながら殺処分となる犬は5635頭、猫は2万7108頭、合計3万2743頭に及びます。
各地方自治体が運営する動物保健センターが保護する動物のうち、8割は元の所有者が分からないケースだといいます。狂犬病予防法によると「保護された動物は最低2日間施設に収容し公示しなければならない」とされています。
しかし、予算などの関係から1週間程度で殺処分が行われたり、原則殺処分を行わないなど、対応はさまざま。殺処分の方法は炭酸ガスによる窒息死や注射による安楽殺が一般的で、環境省の「動物の殺処分方法に関する指針」に従い「できる限り殺処分動物に苦痛を与えない方法」によって殺処分を行うことが求められています。
各自治体によって対応はさまざまななので、引き取り数、殺処分数には差が生じています。都道府県別にみると、最も殺処分数が多いのは「愛媛県」で、犬・猫の引き取り数2458頭に対して、殺処分数は2082頭。一方で最も殺処分数が少ないのが「岡山県」で、引き取り数495頭に対して殺処分数は14頭でした。
「こんなにも多くのペットが殺処分になっているのか……」と、ショックを受けた人も多いでしょう。一方で2004年、犬の引き取り数は18万1167頭、殺処分数は15万5780頭、猫の引き取り数は23万7246頭、殺処分数は39万4799頭でした。
大きく数を減らしているのは、民間の動物愛護団体による引き取り頭数が増加していること、2012年に動物愛護法の改により「終生飼養の責務」から、保健所は「引越しで飼えなくなった」などの安易な引取りの申し出を拒否できるようになったことが大きいと言われています。
また昨年6月に動物愛護管理法が改正。動物虐待の罰則強化、生後56日(8週)未満の犬猫の販売を禁止、販売前の犬猫への個体識別用マイクロチップ装着の義務化など、販売業者や飼い主に一層の責任が求められるようになります。それにより、さらなる殺処分の減少が見込まれています。
このような環境整備が進み、かわいそうなペットは確実に減っています。さらにこの動きを進めるには、ペットを販売する人たち、飼う人たちの一層の努力が必要ですし、民間団体のさらなる活躍も不可欠です。またこのような民間団体の活動財源は「寄付」。内閣府によると、2021年2月28日現在、認証NPO法人は5万991件。私達がこれらの団体に寄付を行った場合、税制優遇も受けられます。
ペットを飼っているわけではないけど、殺処分となる犬や猫は減らしたい……そう思っている人がいるとしたら、寄付という行動でその想いはかなえられるかもしれません。
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