大学新卒者…1割は入社1年で会社を辞めている
大学新卒の3年離職者32.8%について、離職時期別の内訳を見ていくと、入社1年目で離職したのが11.6%と、大卒入社組のうち1割は入社後1年以内に辞めています。10人の大学新卒者がいれば、1人は1年後に離職しているわけです。この4月に入社したばかりの新卒社員が「会社辞めます」と宣言しても、それほど驚くことではないかもしれません。
・高校新卒者の3年離職率39.5%
入社3年目 10.0%
入社2年目 12.3%
入社1年目 17.2%
・大学新卒者の3年離職率32.8%
入社3年目 9.9%
入社2年目 11.4%
入社1年目 11.6%
このように見ていくと、ベテラン社員のなかには「最近の若者は根性がない」などという人もいるでしょう。しかし「新卒者の3割は3年以内に会社を辞める」は、今に始まったことではありません。
バブル景気が始まったころの1987年の3年離職率は28.4%。その後バブルが弾けた1992年には23.7%まで低下しますが、それでも新卒者の2割以上を記録。おおむね、大学新卒者の3割は3年以内に会社を辞めています。
前出の調査では「就職後3年以内離職率に影響を及ぼす要因の一つとして卒業時の就職環境があり、これを反映して新規学卒者就職率が低い(就職環境が厳しかった)年は、離職率が高くなる傾向がある」としています。
就職率が特に厳しかった2000年代前半を振り返ると、2000年:就職率91.1%/3年離職率36.5%、2001年:就職率91.9%、/3年離職率91.9%、2002年:就職率92.1%/3年離職率34.7%。確かに3年離職率の高まりが確認できます。就職率環境が厳しかったからこそ、入社後のギャップが大きかった結果なのかもしれません。
このコロナ禍、2021年についてはまだ数字が発表されていませんが、就職率は前年よりも厳しかったといわれています。例年より新卒者の離職者が増えることが予想されます。
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