本連載では、不動産運用により資産を形成した成功事例、さらに一歩進めて、不動産を活用して得た資産による開業や新たな医療・福祉サービスなどの事例を紹介します。今回は、資産分散の必要性について見ていきます。

資産10億円を目指すのであれば「高額物件」が効率的

 

 診療科 整形外科
 年齢 32歳
 家族構成 独身
 居住地 中部地方
 勤務医としての年収 1,400万円

 

〈前回までのあらすじ〉

働きづめである勤務医のA氏は、先輩のアドバイスもあり節税目的で不動産投資を始めることに。しかし、管理委託契約を結んでいた不動産会社の不親切な対応もあり、一度は不動産投資に対してネガティブになる。しかし、将来のライフプランとタックスメリット考慮し、現保有の2戸を維持したまま、新たに都内の3戸を購入。5戸すべてを弊社の管理とし、一括借り上げをすることとなった。そして、毎月の収支の不安からA氏に新たに任意売却物件の紹介をすることとなった。

 

 

A氏に提案した任意売却物件は、下表のようになります。

 

物件は築15年、24戸のマンション1棟です。価格は3億2500万円ですが、頭金3,000万円を入れればローンの返済を差し引いても毎月約48万円の収益が残ります。

 

正直に書きますが、3億円の中古マンションで毎月の収益が48万円というのは、かなり高い利回りです。その理由は、何といっても物件自体が割安なこと、そして当時4戸の空室がありましたが、すべて一括借り上げにしたこと、さらにA氏がまだ32歳と若いので30年の長期ローンが組めたことなどがありました。


場所は京都府ですが、弊社には大阪支社があるので入居者の募集にはまったく問題がありません。こんなに条件のいい物件は、なかなか出てこないでしょう。ところがA氏には即答で断られてしまいました。


3億円というローンを背負うプレッシャーに耐えられそうにない、と言うのです。提案しておいておかしいかもしれませんが、この反応は当たり前とも言えます。1棟買いを医師に勧めると、ほとんどが「毎日他人の命を預かる責任の上に、今まで扱ったことがないような高額な借金を背負うなんて考えたくもない」といった答えが返ってきます。


区分所有の少額な投資なら失敗してもキズは浅いと思うかもしれませんが、私はそもそも失敗しないことを前提に提案しています。不動産運用が収益を生む構造は、低額物件も高額物件も同じです。ならばより多くの収益を生み、早く資産10億円に到達する高額物件を購入した方が効率はいいのです。

 

医師ならば頭金は一般のサラリーマンより多く用意できるし、銀行に信用があるので多額の融資を受けられます。医師だからこそ高額物件で効率の良い資産運用が可能なのです。実際に区分所有から不動産運用を始めた医師のほとんどは、最終的に1棟買いに行きついています。

 

「通貨」の面でもリスクヘッジして将来に備える

私はA氏に過去の成功事例の数々を紹介しました。しかし、もう一歩踏み込めない様子。どんなに低くても、将来無一文になってしまう可能性はつくりたくない、と言うのです。そこで私は「48万円の収益のうち、10万円はドル建て積立型生命保険に回しましょう」と提案しました。


この生命保険は、毎月支払う保険料や満期時の返戻金がドルになります。そのため金額が為替レートによって変化するリスクがありますが、予定利率が円建てに比べてかなり高いというメリットもあります。


ドル建て積立型生命保険でリスクヘッジすることで、A氏は納得。この掘り出しもの物件を購入することになりました。これでA氏の資産は約5億円。「将来の安心がよりはっきり見えてきたし、すぐにでもセミリタイアできそうだ」と考えられるようになって、本業に取り組む気持ちにも余裕が生まれたそうです。

 

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本連載は、2015年1月30日刊行の書籍『資産10億円を実現する医師のための収益物件活用術』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

資産10億円を実現する 医師のための収益物件活用術

資産10億円を実現する 医師のための収益物件活用術

大山 一也

幻冬舎メディアコンサルティング

旧来の医療体制が瓦解し始めた今、医師たち一人ひとりに求められているのは勤め先の病院に頼らない、自らの開業をも見据えた確固たる基盤づくりであり、なかでも最も重要なのは資産形成である。資産形成にはさまざまな方法があ…

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