建築物の資産価値を保つためにも、外壁塗装は重要です。しかし、塗装を行うにも適した季節が存在します。それを見誤ると、必要以上に工期が長引き、費用がかさむことも…。不動産オーナーが知っておきたい、外壁塗装の基礎知識を専門家が解説します。

隙間を埋め雨漏りを防ぐ「コーキング工事」の種類

次に、サイディングボードとサイディングボードの間を埋めるコーキングの工事について見てみましょう。

 

コーキングが劣化すると雨水の侵入口になり、雨漏りの原因になります。そのため、外壁塗装時にはコーキングも一緒に修復(打ち直し)するのが一般的です。コーキングには打ち替えと増し打ちの2種類があります。

 

●打ち替え

 

既存のコーキングを撤去して新しく打ち直すことです。外壁塗装をする際は、基本的には打ち替えをします。なかには中途半端にコーキングを撤去して「打ち替えしました」と言う業者もいますが、打ち替えというのはコーキングを完全に撤去してこそ打ち替えと呼べるのです。

 

●増し打ち

 

既存のコーキングの上から新たなコーキングを加えて厚みを付けることです。サッシ廻りなど複雑な形状の位置にあるコーキングは、既存のコーキングを完全に撤去するのが難しいため、増し打ちで対応します。

 

コーキングと塗装の関係では、どちらを先に行うかによって、先打ち、後打ちに分けることもできます。


先打ちは塗装する前にコーキングを打ち直すことで、コーキングの上に塗装します。そのため、塗料の機能によってコーキングを紫外線や風雨などから守ることができます。ただし、コーキングは塗料より柔らかいため、コーキングが変形することによってその上に塗ってある塗料が割れることがあります。

 

後打ちはその逆で、塗装したのちにコーキングを打ち直すことです。コーキングが塗装で守られていないため、紫外線や風雨の影響で傷みやすくなります。ただし、コーキングの変形によって塗装が割れるようなこともありません。

 

どちらも一長一短ですので、正解はありません。

 

ただ、先打ちの場合、コーキングと塗装の技術が高ければ塗装が割れる可能性が低くなりますので、技術力ある業者に頼む場合は先打ちがよいでしょう。

 

 

久保 信也

株式会社リペイント匠 代表取締役

 

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