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エクアドル大統領の決選投票:右派のラソ氏が予想外に左派候補を打ち破る
南米エクアドルで11日、大統領選の決選投票が行われ、右派ギジェルモ・ラソ氏が左派の経済学者アンドレス・アラウス氏を下し、当選を確実としました。
エクアドル選挙管理委員会によると、開票率97.8%の時点でラソ氏の得票率は52.5%で、反米左派でコレア前大統領の後継者と見られるアラウス氏は47.5%に留まっています。2月に行われた大統領選挙では当選条件を満たした候補がいなかったため両候補による決選投票が行われました。
どこに注目すべきか:エクアドル、大統領選挙、決選投票、EFF
今年、南米ではチリ、ペルー、エクアドルなどが大統領選挙の年となります。ペルーとエクアドルは11日に選挙(エクアドルは決選投票)が行われました。エクアドルでは事前の予想に反して右派のラソ氏が当選確実となりました。左派の、ポピュリズム(大衆迎合主義)が否定された格好で債券価格は急上昇しました(図表1参照)。
エクアドルの大統領選挙といっても馴染みがないので、これまでの経緯を簡単に振り返ります。まず、今年2月7日に(第1回目の)大統領選挙が行われました。このときの結果は、開票率100%でアラウス氏が得票率32.72%でトップ、ラソ氏は19.74%でした。ラソ氏と2位を争った左派のペレス氏は19.39%と2位争いが大接戦でした。大統領の当選条件を満たした候補が第1回の選挙ではいなかったことから勝敗は4月11日の決選投票に持ち込まれました。
2月の結果を踏まえれば、アラウス氏の得票率が3割を超えていたこと、3位も左派であったことから、決選投票は左派のアラウス氏が有利ではとの下馬評がひっくり返された格好です。アラウス氏の反米左派はエクアドルのコレア前大統領の路線で、支持を広げる戦略として低所得者への支援拡充などポピュリズム(大衆迎合主義)的な政策を掲げてきました。
したがって、元銀行頭取で右派のラソ氏が当選を確実としたことは、エクアドル国民がポピュリズム政策を否定したとも見られます。これを好感したのは債券市場です。
エクアドルは昨年9月に債務の返済条件を緩和する債務再編と国際通貨基金(IMF)からの融資(拡大信用供与措置〔EFF〕)で合意しました。エクアドルは新型コロナウイルスの感染初期の段階で医療崩壊に直面し対応に苦しみました(図表2参照)。
IMFのEFFは救いの神でしたが、その適用には財政規律も求められます。選挙を有利に進めていたアラウス氏の大衆迎合路線とは相性が悪かったと見られます。債券市場はラソ氏の路線によるIMFとの関係改善に期待したと見られます。産油国でもあるエクアドルは、クレジット市場を見る限り、原油価格の回復の追い風を受けたとは言いがたい面もありましたが、今後の動向に明るい兆しが見え始めたのかも知れません。
もっとも、ラソ氏にも懸念材料はあります。財政政策は最後は議会が決定権を持ちますが、エクアドル議会は小政党に分裂しており、合意形成は至難のわざと思えます。
エクアドルはマイナーな市場で関心は低いと思います。南米では来年にかけ複数の選挙が予定されています。例えばペルーでは日系人のフジモリ元大統領の長女が参戦しています。エクアドルの選挙の対立軸は他の選挙の動向を知るうえで、1つの参考となるかもしれないことから、ご紹介いたしました。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『エクアドルで反米、左派が敗れる』を参照)。
(2021年4月13日)
梅澤 利文
ピクテ投信投資顧問株式会社
運用・商品本部投資戦略部 ストラテジスト
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