コロナ禍で「医療費」はマイナス傾向
厚生労働省『医療費の動向調査』によると、昨年4月~11月の医療費総額は、10月を除き前年比割れを記録しました。新型コロナウイルスで医療現場は逼迫していますが、一方で病院を敬遠する動きもあり、医療費全体としてはマイナス傾向にあるようです。
2020年4月 -11.0%
2020年5月 -14.1%
2020年6月 -3.9%
2020年7月 -5.6%
2020年8月 -3.9%
2020年9月 -0.6%
2020年10月 2.3%
2020年11月 -4.3%
■医科入院医療費の伸び率(対前年比/75歳未満)
2020年4月 -7.8%
2020年5月 -12.2%
2020年6月 -5.9%
2020年7月 -6.1%
2020年8月 -4.4%
2020年9月 -1.1%
2020年10月 0.9%
2020年11月 -2.5%
また昨年上半期(4~9月)の医科入院1日当たりの医療費は、75歳未満で4万5667円、75歳以上で3万4415円。医科入院1件当たりの日数は、75歳未満で12.5日、75歳以上で17.5日。ここにはコロナ禍だから、という変化は見られていないようです。
2019年4~9月 4万4781円
2019年10~3月 4万5796円
2019年4~10月 4万5667円
■医科入院1件当たりの日数(75歳以上)
2019年4~9月 12.3日
2019年10~3月 12.5日
2019年4~10月 12.5日
高額療養費制度の対象外…「差額ベッド代」とは
実際に入院などとなったときに気になるのが医療費。多くの場合、保険にも入っているでしょうから、家計負担が重く……ということはないでしょうが、ここで医療費についておさらいしておきましょう。
現在、医療費が1ヵ月で上限額を超えた場合、その超えた額を支給する「高額療養費制度」があります。上限は所得や年齢で変わり、また世帯合算など、さらに負担を軽減する仕組みもあります。
しかし問題なのが、保険適用外となる費用。よくあるのが「差額ベッド代がこんなに!」というもの。差額ベッド代は、正式には「特別療養環境室料」といい、いわゆる大部屋に対して、室内にトイレや洗面台、冷蔵庫、テレビなどの設備が揃っている個室のこと。基本的に患者の希望で選ぶ病室で、全額患者の自己負担となります。
厚生労働省の通知により、差額ベッド代のかかる個室の要件は以下のように決められています。
・病室の面積は1人当たり6.4平方メートル以上である
・病床ごとのプライバシーを確保するための設備を備えている
・少なくとも「個人用の私物の収納設備」、「個人用の照明」、「小机等及び椅子」の設備がある
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