本連載は、企業における幅広いコンサルティング活動を精力的に行う、公認会計士・税理士の梅田泰宏氏の最新刊、『これだけは知っておきたい「税金」のしくみとルール改訂新版3版』(フォレスト出版)の中から一部を抜粋し、消費税や自動車税、不動産関連の税金、年金にかかる税金など、仕事と生活に関わる「税金」のしくみについて紹介します。

景気に左右されないため、税収が安定している消費税

私たちが最もひんぱんに支払っている税金は、何といっても「消費税」でしょう。といっても、消費税法が施行されたのは平成元年で、ほかと比べると新しい税金です。世界史的に見ても歴史は浅く、登場したのは近代になってからです。

 

消費税は、「消費」に対してかけられる税金なので、法人税や所得税に比べて景気に左右されず、税収が安定しているという特徴があります。そのため、消費税のような「付加価値税」を税金の中心に置くことが世界的な流れになっているのです。

社会保障4経費に充てることが消費税法に明記

消費税(国分)の収入については、従来から福祉予算に充てるものとされていましたが、平成26年の8%への税率引上げに際して、年金・医療・介護の社会保障給付と少子化に対処するための経費(社会保障4経費)に充てることが消費税法に明記されました(下記図表参照)。

 

[図表]私たちの消費税は何に使われているのか?

 

増え続ける社会保障費をまかなうため、29年4月1日からはさらに10%への引上げが決定していますが、それで税率アップに歯止めがかかるのか、まだまだ予断を許しません。

本連載は、2016年4月2日刊行の書籍『これだけは知っておきたい「税金」のしくみとルール改訂新版3版』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

これだけは知っておきたい 「税金」のしくみとルール 改訂新版3版

これだけは知っておきたい 「税金」のしくみとルール 改訂新版3版

梅田 泰宏

フォレスト出版

税金は、私たちの生活に密接に関わっています。 税金は「景気の調整」や「政策の手段」という役割を担っているため、 政府が税金を操作することで景気を抑制・刺激したり、 政策に沿うように私たちの行動をコントロールしてい…

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