政策修正を決定
点検結果を公表
■日銀は3月19日、金融政策決定会合で現在の大規模な金融緩和策について点検結果を公表し、政策修正を決めました。緩和の長期化による副作用が懸念されることから、日銀は昨年12月から政策の点検を進めていました。
長期金利の変動幅拡大
ETFは6兆円の買い入れ目安削除
■緩和策の柱である長短金利操作は、短期の政策金利を▲0.1%、長期金利をゼロ%程度に誘導する大枠を維持しました。その上で、長期金利について従来0.2%程度としていた変動幅を0.25%程度に広げました。市場機能の回復を狙ったものとみられます。
■ETFの買い入れは、原則年6兆円、最大12兆円という目安を設けていましたが、6兆円の目安を撤廃しました。株価の上昇局面では買い入れを控え、下落時に積極化する姿勢を打ち出しました。また、ETFの買い入れ対象はTOPIX連動型のみとし、日経平均株価連動型は外しました。
■マイナス金利の深堀りを可能にするため当座預金への付利を上乗せする「貸出促進付利制度」を導入しました。これは金利引き下げの際に金融機関の収益への悪影響を緩和する施策です。
日銀は大規模緩和を長期化、株式市場は業績相場へ
■今回の日銀の政策修正は副作用対策や金融緩和余地創出を目的としたものが中心で、総じて微修正と言えます。ただ、政策修正により日銀の大規模緩和は一段と長期化することが可能になると考えられます。19日の日経平均株価は、ETFの買い入れについて日経平均連動型を除外するとしたため大幅に下落しました。短期的には、TOPIX対比割高に買われていた日経平均株価の価格修正の可能性がありますが、日銀の大規模緩和は変わらず、景気回復に伴う業績改善期待が株式市場を支えるとみられます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『日銀は大規模緩和策を微修正』を参照)。
(2021年3月22日)
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