最も自在性に富んだ運用が可能な「GK-TKスキーム」
私募ファンドを組成する場合、そのスキームの主な選択肢としては、①GK-TKスキームと②TMKスキーム、③不動産特定共同事業スキームの3つをあげることができるでしょう。
それぞれの概要は以下の通りになります。
①GK-TKスキーム
投資ビークルとして設立された合同会社が投資家との間で匿名組合契約を結び資金を調達する仕組みです。
〝GK〟は「合同(GODO)」の「G」、「会社(KAISHA)」の「K」を、〝TK〟は「匿名(TOKUMI)」の「T」、「組合(KUMIAI)」の「K」を意味します。投資家に任意の時期に配当できるなど、3つの中では最も自在性に富んだ運用が可能になります。
3つのスキームそれぞれにメリットがある
②TMKスキーム
投資ビークルとして、SPC法(資産流動化法)で規定された特定目的会社が設立されます。〝TMK〟は「特定(TOKUTEI)」の「T」、「目的(MOKUTEKI)」の「M」、「会社(KAISHA)」の「K」を意味します。決算を経なければ投資家に配当できないなど、GK-TKスキームに比べると若干使い勝手の悪さがあることは否めません。
③不動産特定共同事業スキーム
不動産特定共同事業法に基づく不動産特定共同事業の形でファンドを組成するスキームです。具体的には、組合契約や匿名組合契約などによって投資家から資金が集められます。
[図表]3つの代表的なスキームの仕組み