仏壇の引き出しから遺言書…その内容に兄弟が絶句
葬儀を終え、段々と落ち着きを取り戻していたころ。C子さんが遺品整理をしていると、仏壇の引き出しから、一通の封筒を見つけました。表に書かれていたのは「遺言書」の文字。
「お義母さん、いつの間に遺言書なんて……」
遺言書の存在は、兄弟の誰も知りませんでした。
「遺言書を作ったこと、誰かに伝えておいてくれよ母さん。誰も見つけなかったら、どうしたんだよ」
後日、遺言書は三人の兄弟の立会いのもと開封されました。そこには「実家は売却のうえ、預貯金と合わせて、三人の兄弟とC子さんで等分すること」とだけ書かれていました。
「なんでC子さん!?」
確かに、C子さんは相続人ではありませんが、仕事で忙しい兄弟たちに代わり、Aさんの面倒を見てくれていました。しかし兄弟たちと同じだけの遺産を手にするほどだったのか、次男も三男も納得がいかない様子でした。そこで次男のDにある疑念が浮かんだといいます。
Dさん「あの遺言書、C子さんが見つけたんだよな。母さんに無理やり書かせたりしたんじゃ……」
Eさん「そもそも、これって母さんの字か? 偽物じゃないのか?」
Bさん「おい、お前ら! いくらなんでも失礼だろ!」
Dさん・Eさん「そっちこそ、最初から母さんの遺産が目的だったんじゃないのか!」
Bさん「そんなワケ、ないだろう!」
Eさん「いくらなんでもおかしいんだよ。俺らと同じだけC子さんが遺産を受け取るなんて。母さんの子どもは、俺ら3人だけだぞ。C子さんは部外者だろ」
兄弟たちの主張はぶつかり合い、遺産相続は終わりのない泥沼状態に陥りました。見るに見かねたC子さんは、遺産の受け取りを辞退。結局、Aさんの遺産は三人兄弟で三等分されることになりました。
「あんなに仲のいい兄弟だったのに……。遺言書なんて見つけなきゃ良かった」とC子さん。結局、遺産相続がきっかけで、兄弟たちが口をきくことはなくなり、家族の交流もなくなったとか。悔やんでも悔やみきれないと、C子さんの涙は止まることがありませんでした。
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