インターネットや雑誌で自分の知りたい情報を集めることはとても簡単で便利ですが、保険にまつわる情報収集には注意が必要です。株式会社クレア・ライフパートナーズ代表取締役社長の工藤将太朗氏が保険の情報サイトや雑誌に潜む闇について語ります。

ファイナンシャルプランナーは本当に「中立」?

「保険の営業マンと話していると、言葉巧みに丸め込まれて保険に入れられそうだから、自分で調べたい」といって、雑誌の保険特集などで研究しようとする人もいると思います。

 

ただし、雑誌の保険特集も、たいていはファイナンシャルプランナーなど、保険会社とつながりのある人が監修をしています。

 

結局、ファイナンシャルプランナーは保険の営業マンでもあるので、中立な立場からいい商品をピックアップしているという触れ込みでも、自分たちが扱っている商品を推薦している場合が多いでしょう。

 

このような特集では、ランキングが非常に重要になってきますが、上位にそのファイナンシャルプランナーが売っている商品がランクインする可能性は、かなり高いといえます。

 

つまり、保険を売っているファイナンシャルプランナーが評者を務めている時点で、その雑誌の記事全体にバイアスがかかっているわけです。

 

雑誌はそれ自体の売り上げだけでなく、広告収入によって大きな利益を得ています。保険の特集をするような雑誌の場合、まず間違いなく何らかの保険会社の広告は載っているはずです。

 

雑誌の側としては、お金を払って広告を出してくれている保険会社を無下にはできないので、おのずと「あの会社の商品を悪く言うのはやめておこう」ということになります。ここでもまた一つ、情報操作が行われているのです。

 

(写真はイメージです/PIXTA)
(写真はイメージです/PIXTA)

情報は「操作」されているものと心得て

また、インターネットを見ていると、よく保険の比較サイトやランキングサイトにぶつかります。参考にしている人も多いのではないでしょうか?

 

非常に便利で心強い存在のように思えますが、試しに某保険比較サイトの運営会社の株主構成を見てみると、10社中の過半数は、同系列の保険会社だった…といった場合もありました。そうなってくると、そのランキングの信憑性は疑わしいといわざるを得ないでしょう。

 

このように、雑誌やさまざまなサイトが伝えている保険情報には、多くの偏りがあるはずなのです。情報を鵜呑みにしてはいけません。情報操作は、見えないところで少なからず行われていると考えるべきです。

 

保険代理店などに保険特集の雑誌を持参して、「すみません、この商品がいいって聞いたんですけど」などと相談する人は大勢いますが、情報操作に踊らされていると、自分に合った保険を選ぶことはできないのです。

30歳からはじめる 一生お金に困らない蓄財術

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工藤 将太郎

幻冬舎メディアコンサルティング

社会保障制度の財源が危ぶまれ、賃金格差が広がる今の日本にあって、これから結婚・子育て・マイホームの購入・老後を迎えようとする世代には将来のお金に対する不安が広がっています。 将来のお金が不安な時、たいていの人は…

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