「不動産投資を始めたいけれど、収益が上がるか心配」…そんな不安を抱く投資初心者は、「サブリースなら、空室でも家賃保証されますよ」と言葉巧みに近寄ってくる悪徳業者に要注意です。一部の業者による強引な営業手法が問題視され、しばしばマスコミにも取り上げられたのはまだ記憶に新しいところです。本記事では、サブリース契約の問題点を見ていくとともに、投資家が注意すべきポイントを解説します。

「至れり尽くせり」に思えるサブリースだが…

 

毎月の家賃収入が保証される上、入居者対応や税務サポートが受けられる「至れり尽くせり」のサブリースですが、ある程度のリスクも覚悟しなければなりません。

 

サブリース契約の際には、不動産業者がその物件が建つ地域の家賃相場を調べ、部屋の広さや築年に見合った家賃を決めます。不動産業者はそこからリース料を差し引いた額をオーナーに支払います。このリース料は家賃の1~2割程度ですので、オーナーの取り分は8割前後になります。

 

家賃は定期的に見直されるのですが、当然ながら、築年数が経つごとに値下がりします。加えて、家賃相場は景気の影響も受けますから、不況になれば輪をかけて下がる可能性もあります。

 

例えば、3,000万円の新築ワンルームをローンで購入したとします。設定家賃が15万円で、リース料2割(3万円)を差し引いた12万円がオーナーの利益になります。不動産業者によっては毎年家賃の見直しが行われ、月額5,000円前後の値下げを提案してくるところもありますから、ローン返済額を月々10万円程度に設定してしまうと、購入6年目以降は赤字になってしまいます。

 

こういった将来リスクをしっかり説明せず、あらゆる不利益情報に蓋をしたまま契約までこぎ着けるというのが、悪徳業者の常套手段です。そのため契約の数年後に破綻するオーナーがあとを絶たず、不動産業者対オーナー間の訴訟も頻繁に起こっているのです。以下に、典型的な事例を紹介しましょう。

 

「家賃保証契約期間が10年だけだった」

家賃保証契約に10年の期限があり、11年目以降は空室時の家賃は支払われず、リース料の支払い義務だけが残ることになった。

 

「現状回復費用を全額オーナー負担にされた」

実質的な賃貸借契約は入居者と管理会社の間で交わされるが、そこに賃借人の退去時の現状回復義務についての明記がなく、賃借人の不注意による床の傷や壁紙の汚れまでオーナー負担でリフォームしなくてはならなくなった。

 

「サブリース契約先の不動産業者が倒産した」

契約半ばにしてサブリース契約先が倒産。管理委託している物件の賃貸借契約書は所在不明、入居者の家賃支払い状況や契約期間なども一切分からず、手の打ちようがなくなってしまった。

 

 

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    ※本記事は、「ライフプランnavi」に掲載されたコラムを転載・再編集したものです。

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