日経平均株価が2月15日に30年ぶりとなる3万円台を突破する一方で、2月26日には下げ幅が1200円を超え、終値は前日比1202円安い2万8966円と2万9000円を割り込む大幅下落した。今年に入るとコロナのワクチン接種が始まり、世界的な景況感の改善期待が高まっていたが、株価は乱高下の展開が始まった。「株のお姉さん」として親しまれる雨宮京子氏が、株価が下落相場でもあなたの資産を守り、逆に増やすという株の「カラ売り」の極意を明らかにする。※本連載は雨宮京子著『世界一わかりやすい株の売り方』(フォレスト出版)より抜粋し、再編集したものです。

下げ相場は投資家にとってピンチでも儲ける方法も

なぜカラ売りが必要なのか?

 

最初に、カラ売りについての基礎知識と、それを実行するための心構えを解説していきます。

 

カラ売りは、株式投資を行ううえで必要不可欠なテクニックの1つで、これを知っているのと知らないのとでは、投資の成果に差が出ても不思議ではありません。ですが、「生兵法は怪我のもと」というように、中途半端な知識で実行してしまうと、軽い怪我ですめばいいですが、致命的な怪我を負わないとも限らないのです。

 

しっかりと知識を身につけてから、カラ売りをうまく活用していきましょう。

 

本来なら、下げ相場は投資家にとってピンチな状態だが、売りの知識を身につければ、逆にチャンスに変えることも可能だという。(※写真はイメージです/PIXTA)
本来なら、下げ相場は投資家にとってピンチな状態だが、売りの知識を身につければ、逆にチャンスに変えることも可能だという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

カラ売りは、株式投資を行ううえで必要なテクニックと記しましたが、どうしてなのでしょう?

 

一般的に、株式投資のイメージは、銘柄を買って、それが上がったら売って儲けるになります。企業が成長して利益をたくさん出すようになって株価は上昇するので、それは正しいのは言うまでもありません。

 

しかし、企業が利益を減らすだけならまだしも、赤字になってしまえば、高くなった株価を維持することはできません。利益を減らす企業が増える不況となると当然、全体的にも株価が下がるので株を買って儲けることは難しくなります。

 

そんなとき、最初に銘柄を売って、下がったときに買い戻せばどうでしょう。

 

株を買って値上がりしたときと同じように利益を出すことができます。しかしながら、手にないものを売ることはできません。そこで登場するのが「カラ売り」という方法です。

 

図表1にカラ売りのイメージを表してみました。この図の通り、カラ売りは手もとにない株を「借りて」売り、下がったあとに現物を買い戻して返す手法で、これなら下がると思った銘柄を売って、儲けることができます。

 

近年のアベノミクス相場を見ても、株式市場というのは、たとえ環境が良くなっても上がり続けるものではありません。どんなに強い相場でも、1本調子の上げというのは稀まれで、「調整」と呼ばれる下落局面を挟みながら上昇していくのです。反対に、不況になれば、株価が下がるのは言うまでもないでしょう。

 

本来なら、下げ相場というのは、投資家にとってピンチな状態です。しかし、売りの知識を身につければ、逆にチャンスに変えることも可能─そうした意味で「カラ売り」の知識を身につける必要があるのです。

 

 

 

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本連載は、投資を促したり、特定のサービスへの勧誘を目的としたものではございません。また、投資にはリスクがあります。投資はリスクを十分に考慮し、読者の判断で行ってください。なお、執筆者、製作者、フォレスト出版、幻冬舎グループは、本連載の情報によって生じた一切の損害の責任を負いません。

世界一わかりやすい株の売り方

世界一わかりやすい株の売り方

雨宮 京子

フォレスト出版

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