昨年、GAFAM(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフト)の時価総額の合計が、東証1部約2170社の合計を上回ったと大きな話題になりました。一方で日本において大きく時価総額を増やした企業といえば、インターネット広告事業を牽引するヤフー(現Zホールディングス)などが挙げられますが、なかなか“次のヤフー”といえる企業が出てきません。その理由について、オリオール・アセット・マネジメント株式会社の現役ファンドマネージャーである小野塚二也氏が解説します。

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「業界の牽引役」となる企業が日本で現れる条件とは?

では、ITバブルの崩壊でITの進化は終わったのかといえば、もちろんそうではありません。むしろ始まりだったといえます。

 

金融的な現象としては一旦終わったのかもしれませんが、IT・インターネットは社会的な要請やニーズを取り込み、様々な隙間にまで入り込み、産業やセクター分類というよりも、新たな必要不可欠な仕組みとして脈々と成長を続けています。

 

日本には、米国のGAFAM(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフト)にあたるような企業は残念ながら見当たりませんが、IT・インターネットの普及で新たな業態が次々と立ち上がりました。

 

たとえば、広告業界を例にとってみてみましょう。この業界は長い間、4マス(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)といわれてきたなかで、インターネット広告が5つ目のメディアとして台頭してきました。

 

その中心となってきたのがヤフー(現Zホールディングス)です。今やテレビの市場規模を超えるまでに成長しているインターネット広告業界を牽引してきた雄であり、時代を変えた象徴的な企業の一つです。

 

当初は同様のビジネスモデルの企業として、エキサイト、ライブドア、インフォシークなどが群雄割拠している時期もありました。一方、この業界のもう一つの特徴である、“Winner takes all”により、「勝者総取り」となることから集約化も進みました。

 

このように、国内に限ってとなりますが、業容拡大が一気に期待できることも魅力の一つとなっています。また、IT・インターネットは“仕組み”であり産業ではないことから、様々な企業が自社の業容拡大のために使う重要なツールにもなっているわけです。

 

このようななかで、経済産業省はデジタルトランスフォーメーション(DX)の一環として、2015年から毎年国内でIT利活用を積極的に進めている企業を評価し、「攻めのIT経営銘柄」として発表してきました。

 

しかし、その取り組みも空しく、日本におけるIT化の立ち遅れは解消されるどころか、むしろ海外との格差はますます拡大していきました。2020年の政府による一連のドタバタ劇を見るにつけ、日本のIT化の遅れ、未熟さは国民の隅々まで認識されてしまったと思います。

 

ハンコを撤廃しただけでデジタル化とはいえませんし、FAXをメールに、手書きをパソコン入力に変えるレベルの議論がされているなかで、問題解決に向けて着々とチャレンジしていく企業が生き残ります。

 

今後は、IT・インターネット関連の優勝劣敗は、国内の様々な産業に浸透していく可能性があります。そのなかで、“Winner takes all”となれる企業を見極める力が重要であると考えています。

 

 

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