日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回、焦点をあてるのは「新築一戸建て購入者のローン事情」。念願の新築一戸建て。そこにはどのような苦労があるのでしょうか。

マイホーム…夢を見るには負担が大きい

さらに国土交通省『住宅市場動向調査(令和元年度)』から、新築一戸建てを購入した人のお金まわりについて見ていきましょう。

 

新築一戸建て購入者、「世帯主の平均」は43.2歳。ボリュームゾーンは30代で40.3%を占め、40代が23.0%、20代が10.7%と続きます。

 

新築一戸建て購入者の「世帯年収の平均」は744万円。600万~800万円が最も多く25.9%。400万~600万円が25.9%と続きます。

 

また購入対象別に平均世帯年収を見ていくと「新築マンション」は798万円、「中古一戸建て」が720万円、「分譲一戸建て」は688万円、「中古マンション」が694万円。「新築戸建て」を購入する属性は、「新築マンション」に次いで平均世帯年収が高くなっています。

 

新築一戸建てを建てた場合の購入資金(住宅建築費+土地購入費)の平均は4615万円で、自己資金の比率は1254万円。残りの3361万円はローンを組んだことになります。ローン返済期間は、平均33.8年。年間返済額は平均121万6000円で、毎月10万円強を返済にあてる計算です。

 

そんな負担を手にした新築一戸建ての敷地面積の平均は244㎡。70坪近くのマイホームを手にするには、それなりのリスクを追わないといけない、ということのようです。

 

そして民間金融機関に融資を申し込んだ世帯は、67.3%。そのうち約1割は「希望融資を断られる」ケースも。また住宅ローン返済の負担感は「非常にある」が9.3%、「少し負担を感じる」が57.7%。新築一戸建て購入した約6割が、ローンに苦労しています。

 

30代で3000万円強のローンを組み、毎月のローンにひと苦労。払い終えるころには定年を迎える……これが新築一戸建て購入者の最も多いパターン。夢のマイホームですが、現実は厳しいようです。

 

 

 

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