65歳で定年「平均貯蓄額2080万円」も、これで老後は安心か?

日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回、総務省や厚生労働省の調査から「定年後の65歳以上世帯の暮らし」について考えていきましょう。

65歳で定年…そのとき、いくらあればいいのか?

コロナ禍で世の中の不透明感が増すなか、漠然とした将来不安が広がっています。それに伴い、資産形成の必要性について関心は高まり、「つみたてNISAを始めた」とか「初めて株式を買った」などという声をよく聞きます。

 

しかし不安は消えることなく、「いつまでに、いくらあればいいのだろう」という疑問が残る一方、多くは定年を迎え、年金暮らしになるであろう65歳までには、十分に蓄えておきたいと考えているのではないでしょうか。

 

わたしたち、大丈夫なのかしら…(※画像はイメージです/PIXTA)
わたしたち、大丈夫なのかしら…(※画像はイメージです/PIXTA)

 

総務省の『家計調査(貯蓄・負債編)2019年(令和元年)平均結果-(二人以上の世帯)』によると、世帯貯蓄の平均額は1755万円、貯蓄保有世帯全体を二分する中央値は1033万円。一方で負債額の平均は570万円で、負債保有世帯の割合は39.3%。負債保有世帯に限ると、平均額は1451万円で、負債保有世帯を二分する中央値は1218万円となっています。

 

さらに二人以上世帯の世帯主を年齢別に見ていくと、50歳未満までは負債額が貯蓄を上回っていますが、50代で逆転。50代、60代で、1000万円程度ずつ、貯蓄を増やしていくことになります。

 

【世帯主の年齢別貯蓄額】
~29歳 貯蓄354万円 負債 877万円 純貯蓄額-523万円
30~39歳 貯蓄730万円 負債1395万円 純貯蓄額-665万円
40~49歳 貯蓄1076万円 負債1124万円 純貯蓄額-48万円
50~59歳 貯蓄1704万円 負債652万円 純貯蓄額1052万円
60~69歳 貯蓄2330万円 負債250万円 純貯蓄額2080万円
70歳~ 貯蓄2253万円 負債70万円 純貯蓄額2183万円 

 

このように見ていくと、「老後資金2000万円問題」などと騒がれましたが、数値上、平均的な世帯であればクリアできると考えることができます。

 

では実際の老後の生活とはどのようなものなのでしょうか。総務省の『家計調査(貯蓄・負債編)2019年(令和元年)平均結果-(二人以上の世帯)』によると、「65~69歳」の消費支出は、27万4798円。「70~74歳」で24万6556円、「75~79歳」で23万977円、「80~84歳」で20万8996円、「85歳~」で20万413万円。世帯主の年齢が上がるにつれて、世帯の消費支出は少なくなっていきます。

 

世帯人員が、世帯主「65~69歳」世帯では2.55人だったのが、「80~84歳」では2.36人と減っていることも、消費支出が減っていることの要因と考えられますが、年齢とともに消費支出額も減少していくと考えられます。

 

このような事情は別として、単純に考えると、以下のような支出が見込まれる計算になります。

 

【世帯主65歳以上世帯の消費支出】
65~69歳 年間330万円、5年間で1650万円
70~74歳 年間296万円、5年間で1480万円
75~79歳 年間277万円、5年間で1385万円
80~85歳 年間250万円、5年間で1250万円
85歳~ 年間240万円 5年間で1200万円

 

厚生労働省の『簡易生命表(令和元年)』によると、2019年の日本人の平均寿命は男性が81.41歳、女性が87.45歳であることを考慮すると、65歳で定年を迎えてから、男性は5000万円強、女性で6500万円近い支出が、家族でかかる計算です。

 

そんなに用意できるわけがない……。誰もがそう思うでしょう。そのために、年金制度があります。

GGOとは、GENTOSHA GOLD ONLINE(幻冬舎ゴールドオンライン)の略称。『あなたの財産を「守る」「増やす」「残す」ための総合情報サイト』を掲げ、企業オーナー・富裕層を主要読者ターゲットとして運営している(写真は編集長の立本正樹)。

著者紹介

連載統計から紐解く日本の実情2021

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