現在の白内障手術は「日帰り」が基本…どんな流れ?
手術を受ける準備として、白内障治療のおおまかな流れを知っておきましょう。ご参考までに、私たちのクリニックグループでは、白内障の治療は、基本的に図表1のように行われます。
手術自体は「日帰り」が中心になりますが、その前には検査やさまざまな準備が必要になりますし、高齢の患者ではご家族に付き添っていただくことも何回かあります。患者本人はもちろん、ご家族も含めておよその流れを知っておいていただくと、治療をスムーズに進められます。
まず、手術を受けるにあたっては眼科医の診察を受け、視力障害の原因を調べます。原因が白内障と診断された場合、手術が必要かどうかを眼科医が判断します。
そして手術が必要な場合、手術予定日を決めます。白内障手術は点眼麻酔のみで行うため、全身の病気がある人でもほとんど問題なく手術を受けられますが、過去に高血圧、糖尿病、心疾患などの病気のある患者は念のために必ず内科を受診してもらい、内科医に白内障手術の了解を得たほうがよいでしょう。
次に手術前検査を行います。どのような手術が最適かを判断するための検査や、手術時に挿入する眼内レンズの度数を決定する検査、そのほかの視機能の検査を行います。
そのうえで、手術に対する説明を医師から受けることになりますが、患者だけではなく、ご家族にも白内障手術について理解してもらいます。手術前後の生活のサポートに協力してもらうことで、術後の生活もトラブルなく送ることが目的です。また、コンタクトを利用している人は、手術の2〜3週間前からコンタクトを使わないようにしてください。コンタクトによって角膜の形状が変わり、手術に影響が出るのを防ぐためです。
手術当日は手術前の準備から手術後の説明まで、約2時間かかります。術後は体調確認のため、リカバリールーム(回復室)でしばらく休憩をし、医師が問題ないと判断すれば帰宅となります。
手術翌日には、もう一度医師の診察を受けます。その後、期間や頻度は患者によって異なりますが週に一度、2週に一度など定期的に通院し、診察や投薬を受けます。手術後1ヵ月ほどで、徐々に普通の生活に戻れるようになります。