本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

2020年の世界株式市場は堅調

中心は米国NASDAQ市場

 

■2020年の世界経済は新型コロナウイルスの感染拡大と経済活動の制限からリーマンショックを超える大幅な悪化となりました。その中で、大胆な金融緩和と未曽有の財政出動に加え、ニューノーマルの流れを的確に捉えるIT企業が多く上場する米国NASDAQ市場が、世界の株式市場の中心として大きなけん引役となりました。

NASDAQから解放される世界の株式市場

目覚ましい中国の堅調ぶり

 

■世界の株式市場は昨年11月に大きな分岐点を迎えました。米大統領選挙でバイデン氏が勝利したこと、新型コロナウイルスのワクチンの実用化にメドが立ったことなどが背景です。それ以降、景気回復に対する期待が確信へと変化する中、過剰流動性は、出遅れた株式市場へと向かい始めています。2021年2月までにその流れは一気に加速することになりました。

 

■年初から2月16日までの主な株価指数の騰落率を見ると、最高値更新を続ける米国は、NASDAQが+9.1%です。一方、MSCI中国が+19.5%、香港ハンセン指数も+13.3%とNASDAQを大きく上回る上昇率で中国市場の堅調さが際立っています。日本市場も日経平均株価などが堅調です。

 

(注)20年は2019年12月末と2020年12月末の比較。21年2月は2020年12月末と2021年2月16日の比較。 (出所)FactSetのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
主要株価指数の騰落率 (注)20年は2019年12月末と2020年12月末の比較。21年2月は2020年12月末と2021年2月16日の比較。
(出所)FactSetのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

21年は米国に加え、中国、日本、アジアがけん引役に

■米国では大型の景気対策への期待は強く、世界的な金融緩和も持続する見通しです。また、ワクチンが普及し始めたことで、世界経済の先行きに明るさが増しています。これまでは米国市場中心の期待形成でしたが、中国、日本、そしてアジアの景気・企業業績の回復に対する期待度が高まっています。21年は米国市場に加え、中国、日本、アジア市場が堅調に推移すると期待されます。世界の株式市場は、ようやくNASDAQ中心の期待形成から解放され始めました。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『オンリーNASDAQから解放される世界の株式市場』を参照)。

 

(2021年2月19日)

 

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