■新型コロナ新規感染者数が世界全体で減少傾向にある中、各国株式市場は米国の大規模経済対策や業績回復を織り込み総じて上昇し、今後も潤沢な流動性に支えられ堅調に推移するとみられます。経済回復に伴い長期金利の上昇が予想されますが、短期間での急騰は相場の波乱要因となるため注意が必要です。
■米国では、ワクチン効果やバイデン政権による経済対策もあり、今年は景気の上振れが予想されます。一方、既に足元の消費や企業の生産活動は市場予想を上回っており、金融市場では景気が過熱した場合の金融政策の議論が活発化しつつあります。当面、個人消費やインフレ関連の経済統計には注意が必要です。
■中国では第13期全国人民代表大会(全人代)第4回会議が開催され、経済成長率目標や14次5ヵ年計画、2035年までの長期目標などが審議・採択される見込みです。いち早くコロナ危機を脱した中国がどういった長期的な成長予想を描くのか、米中の経済規模の逆転が視野に入ってくる可能性があり注目されます。
■日本では、日銀の金融政策決定会合において政策点検の結果が発表される予定です。今後の政策変更については、ETF・REITの買入れ柔軟化、長期金利の変動許容幅拡大が中心になるとみられます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2021年3月の注目イベント』を参照)。
(2021年2月22日)
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