政策金利を0.25%引き下げ
■メキシコ銀行(中央銀行)は2月11日の金融政策決定会合で、全会一致で0.25%の利下げを決定し、政策金利を4.00%としました。
■声明では、インフレリスクは上下にあり、コロナ禍の影響からリスク・バランスは不確実であると指摘されています。金融政策のガイダンスは、これまでの緩和姿勢から中立の姿勢となり、今後の緩和政策についての示唆はありませんでした。
■利下げ期待は市場にはありますが、2021年のインフレ見通しは、年後半は低下が予想されるものの今後数カ月は上昇するとみられ、利下げ余地に乏しいことから政策金利は当面据え置かれる可能性が高いとみられます。
景気見通しを上方修正
■弊社ではメキシコの2021年の実質GDP成長率見通しを12月予想の前年比+2.5%から同+3.0%に上方修正しました。米国向け輸出が堅調に推移するなど、米国の景気回復による恩恵がメキシコ経済を支えています。米バイデン政権の経済対策によるプラスの影響も期待されます。メキシコの国内要因は弱いままですが、海外要因が支援材料となりメキシコ経済は底堅く推移するとみられます。
世界経済が回復へ向かう中、メキシコペソは堅調推移を見込む
■世界的に景気が回復へ向かう中、米国の経済対策への期待や世界的なワクチンの普及を好感し、世界の金融市場ではリスク選好の動きが続いています。メキシコペソは上昇傾向を辿っており、2020年3月末からの騰落率は対米ドルで約18%の上昇となりました。緩和的な金融環境の長期化が予想されており、新興国通貨にも資金が流入する中で、相対的な金利の高さが注目されることに加え、バイデン政権下の米国との関係改善や、米国の経済回復から恩恵を受けることなどが期待され、メキシコペソは堅調な推移が見込まれます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『メキシコ、政策金利を4.00%へ引き下げ』を参照)。
(2021年2月12日)
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