離婚により「家系図」が複雑化した結果…
《事例4》
病気で死亡した夫とA子さんの間には、3人の子どもがいます。3人とも未婚で、A子さんと共に、夫名義の戸建て住宅に住んでいます。戸建て住宅は30年ローンを組んで、10年前に購入したものですが、夫が死亡し団体信用生命保険の死亡保険金が下りたため、ローンは消滅しました。
死亡した夫には離婚歴があり、前妻との間に2人の子どもがいます。自宅の名義をA子さんに変更するために、その旨を明記した遺産分割協議書を前妻の子2人に送ったところ、「自分たちにも相続権がある」と法定相続分を要求されてしまいました。
死亡した夫には、前妻の子2人に後妻、後妻の子3人と、複雑な関係にある相続人が多数いたにも拘らず、遺言で自宅を誰に相続させるか定めておかなかったために、トラブルになってしまいました。
◆「誰が」「何を」相続するか――公正証書遺言で明確に指定
前妻の子たちは、後妻に対していい感情を抱いていることはまずありません。そこへ「相続放棄してほしい」という要求をしても、通ることはほとんどないと考えた方がいいでしょう。
父親である夫が、生前にそのことをよくわきまえて、公正証書遺言で相続人それぞれの相続財産を、指定しておくべきでした。
なお、このようなケースでは、前妻の子に遺留分があるため、そのことにも配慮しておく必要があります。すなわち遺言書に前妻の子に遺留分相当額を相続させる旨を明記しておくことです。そうした配慮が、トラブルを未然に防ぐことにつながります。
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