先日、年金支給額の引き下げが発表されました。月額あたり、わずかな金額ではありますが、年金を頼りにしている高齢者の立場からすると、歓迎するニュースではありません。今回は内閣府の調査から、高齢者の生活の実態を紐解いていきます。

高齢者の4人に1人は「家計に不安あり」

内閣府による『令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査』によると、37.3%が「収入のある仕事をしている」、62.7%「収入のある仕事はしていない」が62.7%。収入がある仕事をしている人のうち、「パート・アルバイト」が最も高く34.3%、「自営業、個人事業、フリーランス」が33.0%、「正規の社員・職員・従業員」が13.9%と、当然、正社員の割合はぐっと減っています。

 

出所:内閣府『令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査』より作成
[図表1]高齢者の仕事の有無 出所:内閣府『令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査』より作成

 

そして「収入のある仕事をしている」、その理由は、「収入がほしいから」が45.4%、「働くのは体によいから、老化を防ぐから」が23.5%、「仕事そのものが面白いから、自分の知識・能力が生かせるから」が21.9%となっています。

 

出所:内閣府『令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査』より作成
[図表2]高齢者「仕事をする理由」 出所:内閣府『令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査』より作成

 

4割の高齢者が定年後も働き続ける日本。働くことが生きがいになっていることも珍しくないでしょう。実際に「生きがい」について尋ねると、「生きがいを感じている(十分感じている、多少感じているの合計)」が79.7%。5人に4人は「生きがいを感じている」、幸せな老後を過ごしています。逆の見方をすると、高齢者の2割は生きがいを感じることがなく少々寂しい老後を過ごしていることになります。

 

出所:内閣府『令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査』より作成
[図表3]高齢者「生きがいの有無」 出所:内閣府『令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査』より作成

 

そこにはやはり老後の不安が付きもの。「家計にゆとりがない」という回答は、「多少心配」「非常に心配」を合わせて25.4%。そして「経済的な不安がある」が64.0%。具体的には「自分や家族の医療・介護費用がかかりすぎる」が30.8%、「自力で生活できず、転居や有料老人ホームへの入居費用がかかる」が26.0%、「収入が貯蓄が少ないため、生活費がまかなえなくなる」が25.8%、「認知症などにより、財産の適正な管理ができなくなること」が20.8%と続きます。

 

出所:内閣府『令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査』より作成
[図表4]高齢者「家計に対する認識」 出所:内閣府『令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査』より作成

 

なかでも不安なことをあげてもらったところ、「収入や貯蓄が少ないため、生活費がまかなえなくなる」が最も多く、27.8%。「自分や家族の医療・介護費用」「自力で生活できず、転居や有料老人ホームへの入居費用がかかる」と続きます。

 

出所:内閣府『令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査』より作成
[図表5]高齢者「最も不安なこと」 出所:内閣府『令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査』より作成

 

実際、総務省「家計調査」で65歳以上世帯の黒字月額を見てみると、-2万8472円。毎月3万円の赤字となっています。毎月減っていく貯蓄残高。不安になることはない、といっても気休めでしかないかもしれません。

 

老い、そしてそれに伴う収入や貯蓄の減少による不安の増大。だからこそ冒頭の年金支給額減額のニュースは、たかが数百円、されど数百円、現役世代以上に高齢者には大きなニュースです。そして不安を抱えることが当たり前の老後に備えて、現役世代にできるのは、コツコツと資産を構築していること以外ないといえるでしょう。

 

 

 

 

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