目まぐるしく変化する現代社会において、ビジネスで成果を上げるには「チームワーク」が不可欠です。では、一体どのようにして「成果を上げられるチーム」を作ればいいのでしょうか? テレワークが日常化する中、チーム全体で最高のパフォーマンスを出す方法を解説します。※本記事は、越川慎司氏の著書『巻込力』(経済法令研究会)から一部抜粋・再編集したものです。

雑談で「お互いの共通点を見つける」メリット

社内で必要な人たちを巻き込むためには、役職や年齢・性別・国籍等が異なる人とかかわる必要もあります。

 

育ってきた環境が違うわけですから、価値観や考え方が異なって当然です。そういった人たちと共同作業を進めるためには、お互いの違いを認め合う多様性が必要です。

 

そのために、わずかであっても共通点を見つけ出すことが必要です。そうすれば、張りつめた空気が和らぎ、腹を割って話すことができ、その後の共同作業がスムーズに進みます。同じ時代に同じ会社で働いているわけですから、何かしら共通点もあるはずです。

 

共通点を見つけやすいのは同じ時間を共有した同期入社の仲間です。しかし同期入社メンバーだけを巻き込んで仕事を進めていくわけにもいきません。そこで、共通点を見つけるために効果的なのが雑談です。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

仕事とは関係ない「たわいもない話」によって、趣味嗜好や出身や家族構成などの共通点が見つかると、その先の会話が弾みます。腹を割って話ができるようになれば、お互いの価値観を共有し合い、考え方や行動をすり合わせていくことができるようになります。

 

雑談とは、このように相手との共通点を見つけ出すコミュニケーション技法なのです。

 

会議などのかしこまった席では、カジュアルな会話をできない雰囲気もあるでしょう。そこで、自分と相手の空き時間やオフィスの廊下ですれ違うときに雑談を試みてください。会議において、主催やファシリテーションをするような機会があれば、ぜひ冒頭の2分間に雑談をしてみてください。

 

 

雑談によって参加者が打ち解け合えば、その後の意見交換は活発になり、気兼ねなく意見を言い合えるようになります。ブレインストーミング(意見出し会議)では、アイデアの質よりも量を追求した方が成果につながるので、なおさら雑談をして空気を温めた方がいいのです。

 

実際、雑談ありの会議と雑談なしの会議(18社)を筆者の会社で録画調査して比較したところ、雑談ありの会議の方が、出されるアイデアの数は1.7倍となり、発言者数は1.9倍となることがわかりました。

 

 

テレワークであればなおさら雑談は効果的です。自宅での個人作業が中心となるテレワークにおいては、職場でのたわいもない会話はなくなり、孤立感を感じやすくなります。また、目の前にいない上司やメンバーたちに必要以上の気遣いをしてしまう傾向があります。

 

テレワークでのオンライン会議の時こそ、冒頭2分間で雑談をしてみてください。

 

テレワークでは会って挨拶ができないので、雑談で対話の機会を意図的に多く作ることが必要です。悩みを抱えているような同期や後輩に声を掛けてみて、ビデオチャットで対話するといいでしょう。

 

対面頻度が増えると好感度が上がり、信頼も増し、腹を割って悩みを打ち明けてくれます。これをザイオンス効果と言います。「長く話すより、頻度高く話す方が好感を持たれやすい」という法則です。

 

悩みを解決してあげることができなかったとしても、相手に悩みを吐き出させることで気持ちがすっきりして解決することもあります。私はサラリーマン時代に2度ほど精神疾患になったことがありますが、メンターと会話をしたことで回復に向かいました。

 

ザイオンス効果(接触頻度を上げると親密度が高まる)

 

ちなみに社外(顧客)との対応においても雑談は効果的です。相手の警戒・緊張感を雑談によるアイスブレイクで解き、共通点を見つけて関係性を近づけることで、その後の商談はスムーズに進みやすくなります。

 

 

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巻込力

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越川 慎司

経済法令研究会

変化の激しい現代社会、若手社員が「結果」を出すためのニュー・ビジネススキル! テレワーク新時代、対面機会が限定されるなかでも求められる、生産性とコミュニケーション。 自分のコントロールできる範囲がわからずに…

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