自分のコントロールできる範囲を広げる能力=巻込力
「頑張っているのに結果が出ていない…」
「これ以上どうやって努力すればいいのか…」
「後輩や先輩とどう接すればいいのか…」
本記事では、仕事の不安を取り除いて作業効率を高めてもらうために、自分のコントロールできる範囲を広げる能力、「巻込力」をご紹介します。
「巻込力」がないと生きていけないわけではありません。ただ、巻込力があった方が仕事をスムーズに回すことができるのは間違いありません。
私は、日本マイクロソフト社に勤めているときに、日本の生産性の低さに直面しました。1人当たり、時間当たりの生産性を高めるための働き方改革が必要だと。そこで提案したのが、「ひとりで始める働き方改革」。
仕事の時間生産性を高めるために、これまでに、パワーポイントなどの資料作成方法を簡素化したり、デジタルツールを活用する、会議の効率化を図るなどすることで、「ムダなこと」をやめるというビジネススキルを提案してきました。実際にアンケート調査やAI分析などによって、時短しても生産性を上げることができることがわかっています。
これらのビジネススキルを磨くということは、自分が「コントロールできる領域」内でスキルアップを図ることです。コントロールできない領域では、どんなにビジネススキルを磨いても活かせずにムダになるからです。
今は、変化の激しい社会において結果を出さなければなりません。だからこそ、この「コントロールできる領域」を広げて周囲の力も発揮できる人が、今、社会に求められる人材となっています。
では、どうすれば、自分が「コントロールできる領域」を広げることができるのか。それは、周囲を巻き込むことです。ひとりでできることには限界があります。ひとりで仕事はできません。周囲に影響を与えながら、周囲と協同することで結果を出すことができます。
巻込力は、大別すると、時間管理や資料作成術などの業務スキルと、人を動かすコミュニケーションスキルの2つの能力になります。
この2つのスキルを具体的に示すと、下記の図のようになります。
巻込力は、自分のスキルを活かすための基礎スキルです。コミュニケーションによって関係が構築できていれば、ムダな時間が減り、仕事はスムーズに回ります。
例えば、パワポ資料の作成。3万人に対する調査の中で、作成された資料の23%は上司などへの過剰な気遣いのためであり、なんと約8割が使われていないことがわかりました。時間のムダです! このムダを減らすと、自分の業務に集中できてスムーズに結果を出せるようになります。周囲を巻き込むことによって、周囲との関係が良好になります。
共鳴して、一緒に考え抜く環境を作り出すことができます。
異質同士の摩擦を受け止め、調整していくことができます。
これからは、テレワークという働き方が浸透していきます。さらには、働く場所を家に限定する在宅勤務(Work from Home)ではなく、どこからでも働くことを前提としたワーク・エニウェア(Work Anywhere)が標準となっていくでしょう。
ひとりでひたすらタスクをこなすだけの働き方では、変化の激しい社会に臨機応変に対応できません。ひらめきといったクリエイティブなものは、人と対話をし、かかわりを持つことで生まれます。対話をすることで共感が生まれて人間関係が深まります。
物理的な距離があるテレワーク標準時代では、貴重な対面時にこそ共感を作り出すべきなのです。職場は今後「作業をする場所」ではなく、「共感できる機会」に変わっていきます。対面の職場において、共感を生み出して強固な関係を作ることができれば、物理的に離れていても心を1つにして同じ方向に向かって協働作業進めることができ、結果を出すことができます。
激しい社会の変化に対応していくためには、自らが率先して動き出し、自らのスキルを発揮できる(コントロールできる)範囲を広げて、周りのメンバーを触発して実現困難な目標を達成していくことが求められます。
今後、働く時間ではなく、達成した成果を評価するトレンドが加速します。ひとりで作業をこなすのではなく、より多くの人を共感させ、巻き込んでより多くの目標達成していけば、どんどん評価されていきます。こういった周囲にポジティブな影響を与えることができる人は、社内だけでなく社会全体においても存在価値も高まり、未来の選択肢を多く獲得できます。
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