
株主優待制度はわかりやすく、これから株を始める人にとって魅力的なきっかけですが、株式投資ではもっと効率的に「お金に働いてもらう」方法があります。本連載は、「相場の福の神」として知られる藤本誠之氏の著書、『上がる優待株を買いなさい』(自由国民社)の中から一部を抜粋し、さらに一歩踏み込んだ「上がる優待株」の見つけ方を伝授します。
株式投資の魅力は「キャピタルゲイン」による利益
多くの証券会社のサイトには、優待利回り検索機能が用意されています。この機能を使うと、優待利回り0.5〜1%の銘柄が204銘柄と、一番多いことがわかります(2015年4月末現在)。
確かに、現在の銀行の金利よりは高い利回りですが、優待と配当のインカムゲインだけを狙っていると、株価が下がってトータルの利益が目減りしてしまうリスクが常につきまといます。
株式投資の魅力はキャピタルゲインによって、利回り以上の利益を得られる点にあります。ですから、株主優待だけを目当てに割高な銘柄や成長性に乏しい銘柄を買ってしまう「株主優待バカ」にならないためには、今後大きく成長可能な銘柄や、割安に放置されている銘柄を選別する必要があります。
株価が上がる銘柄の探し方は2つ
私は、株式投資においてキャピタルゲインで儲けるには、2つの投資手法があると考えています。
ひとつは、成長余力が大きい銘柄に投資を行い、その企業が成長したところで利食い(利益を確定する)を行う「成長(グロース)株投資法」です。
今は少し割高に見えても、今後の成長が見込まれる「成長株」を探し、「この銘柄であれば、中・長期的な成長余力がある」と確信を持てる銘柄に絞って投資します。銘柄を見極めたら、テクニカル分析で25日移動平均線が上向きのタイミングを見計らって、何度かに分けてたくさん買うのがよいでしょう。そして、これ以上の成長は見込めない、または十分に株価が上昇したと判断したら、売って値上がり益を確定するのです。
もうひとつの投資法は、何らかの理由で割安に放置されている「割安株」を探し、投資を行い、その割安さが是正されるタイミングで利食う「割安(バリュー)株投資法」です。
割安株を一定の基準を設けてふるいにかけて選定し、リスクを分散させるためにいろいろな銘柄に分散して買うのがよいでしょう。