やるやらないは別!公的年金を増やす方法
老後の生活を豊かに過ごして、しかもお金の心配をしないですむ方法に、公的年金を増やす方法があります。
「年金を増やすなんて無理でしょう?」と疑う声が聞こえてきそうですが、じつはできるのです。
定年後も再雇用などをして厚生年金に加入して長く働くことで、年金の受取額を増やすことができます。
また、60歳で退職をしたとしても、国民年金の払込期間が40年に満たない場合は、「国民年金に任意加入」して、年金を増やすことも可能です。
さらに年金額を増やす方法としては、繰下げ受給があります。この繰下げ受給というのはとてもお得な制度なので、ぜひ活用していただきたいと思います。
それでは、年金の繰下げ受給と繰上げ受給について、詳しく解説をしていきましょう。
「繰上げ受給」のデメリットは大きい
公的年金は65歳で受け取るものだと思い込んでいませんか。
じつは、60歳から70歳までの間の、自分が望む時期に受け取れるのです(2022年4月より75歳に延長)。65歳より前に受け取る方法を繰上げ受給、65歳を超えてから受け取る方法を繰下げ受給といいます。
「だったら、60歳からもらったほうが得だ!」と思った方、それはとんでもない誤解です。
繰上げ受給を選ぶと年6%が減額され、減額された年金額が一生涯続きます。60歳で受給を開始すると、30%もの減額です(2022年4月からは年4.8%の減額、60歳支給開始で24%の減額に変わります)。そして、繰上げ受給は早く受け取れるぶん、最初のうちは得になりますが、途中から損になります。その損益分岐点は約77歳です。77歳以降は、差がどんどん広がっていきます。
そのほかにもデメリットがあります。繰上げ受給をすると、障害年金や寡婦年金を受け取ることができなくなります。また、遺族年金と併用では受け取れないため、どちらか一方を選ぶ必要があります。そして、一度繰上げ受給を選択してしまうと、途中で変更はできません。
どうしても生活が成り立たないという状況でなければ、繰上げ受給は避けたほうがいいでしょう。