開発途上国に「感染リスク」が高い住民が多い理由
新型コロナウイルスが世界中に蔓延しているところ、新たに変異ウイルスが出現し、その感染力の増強が懸念されており、先進国・開発途上国へ分け隔てなく悪影響を与えている。開発途上国における感染者数は4,700万人、死者数98万人に上っている。日本では感染者数40万人、死者数6千人に至っている(2021年2月6日時点・WHO推計による・開発途上国は全世界推計よりOECD諸国を引いて算出)。
新型コロナウイルスは格差を助長し、社会を分断するとされている。社会経済的地位が相対的に低い開発途上国は、食料不足に加え、マラリア、エイズや結核など他の疾病に感染しているため、慢性的な栄養不足による免疫力低下により感染リスクが高い住民が多い*1。
また、新型コロナウイルスによる失業、収入減、教育機会喪失のリスクも社会経済的地位と相関しており、新型感染症によって格差拡大が長期的にもたらされることが懸念されている*2。
日本は貿易立国であり、その資源の多くを輸入に依存しており、観光業はじめ、外国との自由な行き来なしには生きていけない産業も多い。そのため、全世界的な新型コロナウイルスの終息なしには、日本での安全な暮らしや経済回復は期待できない。
今日世界はグローバル化しており、相互扶助の精神が一層求められている。地球の構成メンバー同士、互いに助け合い、支え合うことが大変重要だ。
開発途上国は医療体制が「ひっぱく」し、マスクも不足
開発途上国は、慢性的な医療資源不足状態にあった。先進国において住民1,000人あたり医師3人、看護師8人いるのに対して、開発途上国では医師0.2人、看護師1人である*3。
新型コロナウイルスはこの惨状にさらに負荷をかけた。たとえば、アフガニスタン、バングラディッシュ、コンゴ共和国、ハイチ、ネパール、セネガル、タンザニアの7ヵ国においては、医療者用のマスクがある医療施設が1/3以下である*3 。
世界的な医療資材の需要の高まりは値段高騰を招いており、医療用マスクは20.5%も値上がりした*3 。これにより、開発途上国では一層医療資材を入手しにくくなっており、そのため衛生状態の悪化が進んでいる。
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